日本のキャッシュレスは、遅れている。
SC運営でもテナントは毎日の売上金(現金)をSCが用意した入金機に入れ一旦SCの口座に入金する。
SCは、それを半月に一度、賃料その他の費用と清算してテナントの口座へ戻す作業を行っている。
この売上金(現金)をSCが用意した入金機に入れる作業は、SCの外部に現金を持ち出さないため防犯上優れているが、その後の賃料清算を行うためにSC側では、売上日報やクレジット伝票のチェックを毎日行うために人的資源を費やしている。
複数のSCを保有する企業では専用の集合日計表センターを作り、伝票を集約し、この作業を行っている。
当然、日計表センターにかかる賃料や水道光熱費などの維持コスト、そこでチェックを行う作業者の人件費がかかる。
現金を扱うことでかかるコストは相当のものである。
以前、中国から来た視察団にこの日本の現金管理、清算システムを説明したところ、「日本ではそんなことをしているのか? 9割キャッシュレスの中国では考えられない」と言われてしまった。
今から20年前、中国から来た人達にこの現金管理システムを説明した時は、自らの売上金を他人に毎日預けて帰るテナントのSCに対する信頼度の高さに驚いていた頃とは大きく異なる。
当時は、「自分のお金を人の口座に入れるなんてすごい!」と驚かれたわけだが、、今や、「まだ、そんなことをしているのか!」と全く異なった驚きを与えてしまったのだ。
今日、言いたいことは、「SCも早くキャッシュレス化を進めないと近い将来コストに圧迫される時が来る」という懸念である。
今、コロナ禍で売り上げは下がり、賃料も下がっている。
だから、同じようにコストも下げないと損益分岐点を割ることも起こる。
そんなことを思っていたら、このような掲示を見つけた。
これは東京都が進める「商店街キャッシュレス導入モデル事業補助金採択事業」というもの。
東京都がキャッシュレス化に取り組むモデル商店街に対し、導入前のコーディネート、キャッシュレス機器の購入、導入後のサポートや周知等にかかる経費を補助する支援事業として商店街キャッシュレス導入モデル事業の募集を行っていて、その1つとして蒲田の商店街が採択されたわけだが、商店街の方がよほど進んでいる。
以前、このコラムでも書いたが「キャッシュレスSC」は出来ないのだろうか。
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https://scandpartners.jp/blog/post-2001
海外で当たり前に「NO CASH」と表記される時代です。