SCアンドパートナーズ

VOL.936 「開業まもないジ・アウトレット湘南平塚」

4月28日に開業した「ジ・アウトレット湘南平塚」

場所は、東海道線平塚駅と小田急線本厚木駅の真ん中ほど。

今日は、本厚木駅からバスで向かいます。

混雑にもよりますが、20分ほど。

意外に近いです。

駐車場は、周囲を囲む平駐車場と立体駐車場

こういった郊外に作られるSCに併設されるお決まりの立体駐車場、大きくて、ごつくて、私はあまり好きではありません。

外観、とてもきれいです。

箱型の無機質なモールとは異なり、タウン感がありますね。

中に入ると、これまた気持ちいい空間。

ベンチが多く、くつろぎ空間が充実。

このセンターに配置した空間、シドニーのRohdes Centralを思い出しました。

https://scandpartners.jp/blog/post-10602

ユニークなのは、ここ。

地名での銘々

地域性は重要ですね。

今回の顧客動線はサーキットモール

北九州のジ・アウトレットの動線が今一つ分かりにくかったことに対して、こちらはすっきりして分かりやすいです。

フードコートの「FOOD FOREST」

ナショナルチェーンが少なく、広く素敵な空間ではあるものの、モールのキャパに対して客席数が心配になりました。

もう少し、広くても良かったかもしれません。


出店テナントは、アウトレットモールでお馴染みの店舗もあれば初のものも。

かなり充実。

このアウトレットモール(当初はアウトレットセンター)は、日本独自の進化を遂げています。

それがこちら。

生活利便型テナントの入居。

アウトレットセンターと言えども地域の人の利便性を確保。

これが地域密着型アウトレットセンター。

日本独自の進化ですね。

その上で、今回、少し気になったのは生鮮食料品

品揃えはとても良いのですが、狭い。

これだけのモール規模であれば、「イオンのスーパーマーケット」か、GMS「イオンスタイル」も十分成立可能に感じました。

作られなかったのは、

・人口や世帯数などの立地商圏の特性なのか。

・土地区画整理事業の都市計画制限のせいなのか。

・企業戦略なのか。

北九州はイオンモールが隣接しているし、広島は下層階にイオンスタイルがあるし。

なぜでしょう。

この施設からは富士山が良く見えます。

と言うことで最上階に富士山ビューのスポットがあり、遠く富士山を眺めることが出来ます。

この日は天気も良く、くっきり見えました。

今回気になった2点。

まず、これ。

袋に詰め放題で洋服を売る。

どうなんでしょう。

そして、見るからに仕入れ販売のお店でアウトレット店では無いな、と思って入ると案の定、こんなコーナーが。

もう、かつてのアウトレットセンターの意味は消えてしまったように感じます。

これも日本独自の進化。

顧客ニーズに合っていればそれでいいのでしょうか。

アウトレット専用品を堂々と売ることに社会的正義はあるのでしょうか。

消費者は理解しているのでしょうか。

こんなことを繰り返していたら、結果、商品にも、価格にも、消費者の信頼を損なうことになるような気がします。

アウトレットビジネスは、そろそろ、考えるタイミングに来ているように思います。

そんなこともあり、近々、このアウトレットモールをテーマにDCS(ダイアモンドチェーンストア)オンラインの連載に書く予定です。

アウトレットビジネスに関わっている方のお叱りを覚悟で。

この記事を共有する

CONTACT USお問い合わせ

これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-