グラフというのは、見る人の印象を大きく変える。
この「1億円の壁」グラフも今回の衆院選の時、金融所得課税強化の発端になった1つだと思いますが、私はこのグラフを頭から信じていました。
ところが、11月5日の日経新聞にこんなことが書いてありました。
「このグラフには多くの人が見逃している巧妙なトリックが隠されている。
実は「1億円の壁」のグラフは申告納税者のデータだけで作成されており、源泉徴収で完結する給与所得者など多くの国民のデータが入っていないのだ。
2018年の場合は申告納税者は639万人だが、給与所得者はその9倍超の約5911万人もいる。
さらに、約15万人の株譲渡所得の申告納税者に対して、グラフに含まれない源泉徴収ありの証券会社の特定口座は約2600万もある。
国民全体の納税データをちゃんと反映したグラフをつくりなおせば、「1億円の壁」のグラフは異なる形になるだろう。
金融所得増税をめざす財務省が、政治家へのロビイング用に作成したのがこのグラフの発端のようだ」日経新聞記事
ショッキングな内容ですね。
仮にこの指摘通り違った形のグラフが出ていたら衆院選に影響したかもしれません。
残念ながらこの記事には、指摘を踏まえたグラフが記載されていなかったので真実がどこにあるのかは分かりませんが、少なくとも日頃からグラフは鵜呑みにしてはいけないと改めて感じた出来事でした。