SCアンドパートナーズ

Vol.607 「業態別売上高2021年6月」

各業界団体からの発表が揃いました。

■日本SC協会発表
既存SC前年同月比売上高伸長率 :▲9.1% (参考・前々年同月比 : ▲23.5%)緊急事態宣言等延長の影響を受け前年を下回る。

  • 6月の既存SC売上高の前年同月比伸長率は▲9.1%となった。前年は、5月中旬から緊急事態宣言(第1回)が徐々に解除され、売上回復傾向が見られたが、本年は、緊急事態宣言(第3回)等による休業が続いたこともあり、前年を下回る結果となった。
    なお、2019年6月との比較では▲23.5%と、5月(▲33.2%)と比べマイナス幅は10ポイント近く改善した。
  • 立地別の売上高伸長率 は、中心地域・総合が前年同月比▲6.7%(前々年同月比▲31.4%)、周辺地域・総合が同▲10.1%(同▲19.8%)となった。前年と比べると中心地域の売上が回復しているようにみえるが、前々年比では依然として、中心地域のマイナス幅が周辺地域より大きい。コロナ下においては、広域商圏をメインターゲットとする中心地域が苦戦する傾向に依るものであり、自治体を跨ぐ移動制限がかかる間は売上回復が難しいことが想定される。
  • 構成別の売上高伸長率 は、テナントが前年同月比で▲10.4%(前々年同月比▲26.4%)、キーテナントが同▲4.5%(同▲11.7%)となり、前々年と比べてもテナントの苦戦が続いている。キーテナントは、コロナ下でも日常生活に必須である食料品を取扱うGMSや食品スーパーが主である一方、テナントは、コロナ下において不要不急と見做される衣料品や身の回り品等が中心であることに加え、外出自粛傾向のなかで実施したバーゲン商材が苦戦していることも要因とみられる。
  • 立地別・地域別の売上高伸長率 は、北海道が総合で前年同月比▲26.6%(前々年同月比▲43.4%)と全国でもっとも大きい落ち込みとなった。緊急事態宣言等による土日祝日休業や営業時間短縮の実施による売上減のほか、コロナ前の2019年に約250万人に達していた海外からの観光客が、今年度に入りほぼ消滅している状況にあることも苦戦が続く要因のひとつとなっている。
  • 都市規模別・地域別の売上高伸長率 は、生活必需品の対象範囲が広い首都圏(東京区部、横浜市、千葉市)に比べ、大阪市、神戸市は、生活必需品としての休業要請対象外業種が食料品・医薬品等に厳しく制限されたことで、前月に引き続き苦戦した。
  • 業種別では、理美容といった施術を行うサービス系テナントが好調という声がきかれた。感染対策を徹底していることが浸透し、その安心感から、コロナ前と同様の利用頻度に戻ってきたことが推察される。苦戦の続く飲食は、緊急事態宣言下の酒類提供禁止要請が21日に解除されたものの、19時までの提供という制限もあり売上増には繋がらず、ディナータイムに集客の多い重飲食の苦戦が続いている。

■百貨店協会発表
1.売上高総額 3,715億円余
2.前年同月比(増減率)-1.6%(店舗数調整後/4か月ぶりマイナス)
3.調査対象百貨店 73社 191店 (令和3年5月対比±0店)
4.総店舗面積 4,948,261㎡ (前年同月比:-4.0%)
5.総従業員数 57,844人 (前年同月比:-6.4%)
6.3か月移動平均値 11-1 月 -18.6%、12-2 月 -18.0%、1-3 月 -8.9%、
(店舗数調整後) 2-4 月 28.6%、3-5 月 61.2%、4-6 月 44.9%
[参考]令和2年6月の売上高増減率は-19.1%(店舗数調整後)
【特 徴】
6月の売上高は1.6%減と4か月ぶりにマイナスに転じた。
緊急事態宣言対象地区店舗の土日休業や時短営業等に加え、外出自粛による集客減が響いた。下旬の休業要請解除により回復傾向も見られたが、入店客数(5.0%減)、売上ともに前年には届かなかった。前々年比は、前月(43.1%減)より22.5ポイント改善したものの、20.6%減と依然として厳しい状況にある。なお、今年上半期(1~6月)累計の伸び率は10.3%増、前々年対比では27.3%減となった。
顧客別では、国内市場は2.1%減(4か月ぶり/シェア98.8%/前々年比16.7%減)、インバウンドは68.1%増(4か月連続/シェア1.2%)だが、前々年比では84.0%減と苦境が続いている。
地区別では、前年をクリアした5都市(東京、大阪、京都、神戸、福岡)を含む大都市は0.4%増(10都市/4か月連続/前々年比21.7%減)となった。一方、地方は6.5%減(10都市以外の地区/4か月ぶり/前々年比17.6%減)となり、大都市と地方の差は前月より3.6ポイント拡大した。
商品別では、主要5品目のうち、身のまわり品(0.6%増)、雑貨(3.7%増)、食料品(3.3%増)の3品目で前年実績を上回った。特に、富裕層を中心に高額消費は活発で、ラグジュアリーブランドや、高級時計、美術宝飾品など高額品(美・宝・貴/25.8%増)は増勢が続いている。また、巣ごもり需要から、和洋中惣菜、和洋菓子、ワインなど酒類の他、家電、高級家具などリビングアイテムも好調だった。
コロナ禍にあってEC売上は引き続き高伸しており、中元商戦や父の日などのギフトにおいても、そのシェアは一層拡大している。各社では、デジタル技術を活用した店頭とWEBの融合策や他業種との協業など、業績回復に向けた新たな取組みを積極的に展開している。

■チェーンストア協会発表

※会員企業数 56社 / 店舗数 11,834店
※総販売額 1兆1,095億円   (店舗調整前) 102.2% (店舗調整後) 101.7%
<部門別の概況>
・食料品 7,453億円   (店舗調整前) 103.8% (店舗調整後) 103.0%
・衣料品 661億円   (店舗調整前) 83.4% (店舗調整後) 84.7%
・住関品 2,404億円   (店舗調整前) 106.8% (店舗調整後) 106.5%
・サービス 29億円   (店舗調整前) 123.6% (店舗調整後) 123.9%
・その他 546億円   (店舗調整前) 89.7% (店舗調整後) 89.7%

令和3年6月度は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策に係る政府からの行動自粛要請により内食化傾向は続いており、食料品は堅調に推移した。衣料品は行動自粛の影響もあり動きが鈍かったが、住関品は堅調に推移し、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

☆今月もSCと百貨店の売り上げは振るわないようです。
数字からは「前年割れの前年割れ」となっていますので、かなり深刻。
7月に入り緊急事態宣言となり、多くの期待は出来ないでしょう。
家計に滞留した預貯金とステイホームによって伸長しているEC、この2つのデータの発表が待たれます。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-