昨日から緊急事態宣言が延長の方向で検討が始まったとの報道が続いている。
どうやら、この自粛期間は、しばらく続きそうだ。
では、いつまでこのコロナ禍が続くのか。
接種が始まったワクチンだが、全世界にワクチンが行き渡るまでには2023年までかかると言う指摘もある。
とすると、ワクチンが行き渡り奏功するのは2024年。
昨年、航空業界の人が「戻るのは2024年くらいだろう」という数字を出した時、「えっ、そんなに?」と思ったが、まんざら、間違ってもいないようだ。
確かに、航空業界は大変なことになり、飛行機の置く場所やリース契約も大きく見直している。
LCCの破綻も出ていることを考えると、日本に3,000万人の外客が来ていた2019年レベルになるの相当先になる。
海外渡航も「需要側」と「供給側」の両方が整う必要がある。
需要が戻っても、供給側が整わなければ、海外渡航は昔のような高価(贅沢)なものになる可能性もある。
感染症は、自国だけでなく、全世界が沈静化しないと本当の収束は訪れない。
ということは、我々はまだまだこの生活を続けることが求められる。
今日は3月3日。
4月からの企業の新年度予算は、作成済、もしくは作成中だろう。
「戻る」ことを前提に予算を描く必要はありながらも、一方では「戻らない」というシナリオも必要になりそうだ。
今、一番頭を抱えているのは、コロナ前に作られたプラン(プロジェクト収支)で着工された物件。
飲食施設、ホテル、劇場、ホール、オフィスなど人を呼ぶことや通勤などの生活スタイルを前提に収支が成り立つプランは不安の中だと思う。
でも、着工してしまったものは、「戻る」ことを信じて進めつつも、少しでも他の収益源を作ることを考えていくしか今は無い。
着工していないプロジェクトは、戻らないことを所与にプランを見直す勇気も必要だと思う。
そもそも2019年までのインバウンド3,000万人の方が夢だったと。
それで、「戻ればラッキー」、それくらいの腹積もりで行くしかない。
昨年の春、コロナも過去のSAASMAASやデング熱やエイズのようにいつの間にか消えてしまうだろうと期待していた。
夏になって気温が上がればインフルエンザのように沈静化するだろうと考えていた。
残念ながらその期待は大きく覆された1年だった。
正常化バイアス。
また、同じことを繰り返さないように。
ワクチンが行き渡り、タミフルのような治療薬が開発されるまでは沈静化しない。
その前提で収益構造をリストラクチャリングする絶好の機会と捉えるしかない。
前向きに。
クレジットカードの利用状況もコロナ禍によって濃淡が出ている。
環境に適合したリストラクチャリングをするか。
そこにかかっているようだ。
出所:2021年3月2日日経新聞朝刊