SCアンドパートナーズ

Vol.496 「弱含み傾向にある小売業販売(商業動態統計2020年12月)

商業動態統計速報(2020 年 12 月分)が発表された。

そこでは、

「当省公表の 12 月分の小売業販売額(税込み)を指数化し、季節調整を行った指数水準(2015 年=100)は 100.6 となり、季節調整済指数前月比は▲0.8%の低下となった。

季節調整済指数の後方 3 か月移動平均における 12 月の指数水準は 101.9 となり、前月比の推移をみると、10 月は 1.6%の上昇、11 月は▲0.6%の低下、12 月は▲0.8%の低下と 2 か月連続低下となった。

これらを踏まえて、季節調整済指数前月比の 12 月までのトレンドでは「弱含み傾向にある小売業販売」とした。」

と分析されている。

概況
出所:https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/sokuho_1.html

このうち、いつものようにショッピングセンターや百貨店に該当する数値だけき出すと以下のグラフとなる。

この数字は今月の緊急事態宣言の状況である。

これを見ると「弱含み」にあるところと、そうでないところがありそうだが、相変わらずの無店舗販売と最寄り品は強い。

 

各動態別の推移を見ても同様の傾向が見られる。(チェーンストアは5年ぶりのプラスになっている)

今回の動態統計調査で少し気になるのは、最寄品の中で食料品の動きがやや悪くなっていること。

この傾向はgoogleモビリティでも出ている。

今年(2021年)に入ってから食料品やドラッグストアへの人の動きが減少している。

どうやら前回の緊急事態宣言時のような動きを国民はしていないようだ。

しかし、今、一番、大きくダメージを受けているのは鉄道を中心とした人の動きだろう。

特に東京都の減少が大きい。

それなりにテレワークなどで外出自粛をしているのだろうか。

JR各社が赤字拡大を懸念するのも頷ける。

この状態があと一年続いたら日本の飲食店、いや経済はどうなるのだろう。

かなり心配だ。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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