SCアンドパートナーズ

Vol.451 「商業施設はハードも重要な好事例」

御殿場プレミアムアウトレットの新しいエリア「ヒルサイド」では、地形の高低差を利用して一つの建物を1階と2階、両側から利用するユニークなケースを紹介しました。

Vol.469 「地形の高低差を活用する商業施設事例」

実は、もう1つユニークな取り組みがあります。

それは店舗前通路上の屋根(庇)を工夫することによって解放感を出している設計です。

これまでのパターンはこちら。

店舗の前に雨除けの庇(屋根)

これを柱によって支えています。

さて、下が今年開業したヒルサイド。

何が違うか分かりますか。

以前コラムでは左の2階建てのような建物の2階は上の段では1階の店舗になっていると言うことでした。

今回のポイントは右側の建物です。

と、その前に左側の写真です。

屋根の下には柱がありますね。

屋根を支えています。

ところが。

この写真で分かるように店舗の屋根を支える柱が無い!

「片持ち梁?」

ちょっと専門用語ですが、片方で自重を支える構造。

これが何をもたらすでしょうか。

他でも無い、庇下の通路とセンターの通路の一体化と広がりです。

さてさて、いかがですか。

よく工夫されていますね。

でも、実はグランベリーモール(2000年開業)では、全く逆のことをしました。

それがこの写真です。

屋根を支える柱がとても太くがっしりしていますよね?

何故だと思いますか?

これは通路を歩いていると視線の先では柱が重なって見えるので、まるで壁のように見えます。

でも、一旦センターの通路に出ればオープンモールに見える。

これは庇下の通路を歩く時の視覚と、道路のセンターを歩く時の視覚を変えて、「イメージをスイッチさせよう」と考えたからです。

この2つは、どちらが良いとか悪いとかの話ではありません。

お客様にどうやって感じてもらうか。

それだけです。

そして、ハードを工夫するだけで、人の視覚をコントロールするだけで、商業施設の見え方は大きく変わるということ。

よく「ハードよりソフトの方が重要だ」と言われます。

それも間違っていません。

でも、ハードも大切な要因であることをこの2つの例から感じていただけると思います。

次回、御殿場プレミアムアウトレットなどのオープンモールのショッピングセンターに行った時は是非それを感じてください。

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-