SCアンドパートナーズ

Vol.493 「閉店したレストランを見て思い出したこと」

先日、横浜に行った。

そこには閉店したレストランが。

コロナ禍によって売上が落ち、やむなく閉店することになったのだろうと思ったのだが、昔、そのお店で起こった出来事を思い出しました。

そのお店に行ったのは冬。

案内された席はテラスに近い場所。

テラス側のサッシ(ガラス)が開いているので冷気が吹き込み寒い。

店員さんに「寒いので閉めてもらえますか?」とお願いすると、

「ここのサッシは開けておくように本社から言われています」と店員さん。

恐らく、そのお店は、オープンテラスの開放的な雰囲気を作りたいのだろうと察するも、とにかく寒いので閉めていただけませんか、と繰り返す。

しかし、「本社から言われてるので」の一点張り。

「でも、今は寒いですよね」としばし、押し問答するもラチが明かず、残念ながらそのお店を後にした。

本社の意向と現場の判断。

他の飲食店でも似たような経験をしたことがある。

ホタテのソテーを注文した際、1皿の個数を聞くと「3つです」と。

その時、4人で来店していたので「4つには出来ませんか、お金は支払いますので」と伝えると、

店員さんの答えは、「こちらのメニューは3つで作ることになっています」という答え。

そのお店も最近閉店しています。

我々は何のために(誰のために)店舗を経営しているのだろう。

コロナは、それを我々に問うているのかもしれません。

東日本大震災時のディズニーランド、スタッフが商品のぬいぐるみを配り、お客様の頭に乗せてもらった対応を思い出す。

あの後、そのぬいぐるみのほとんどは、持ち帰らずに返されたと聞く。

「ありがとう」の声を添えて。

コロナで閉店する店。

実はこれまでの積み重ねの結果なのかも。

そんなことを感じます。

この記事を共有する

CONTACT USお問い合わせ

これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-