2020年8月までの売上実績が出揃った。
4月、SCと百貨店は緊急事態宣言下、食料品などの日用品を除き休業。
その影響で、マイナス70%と相当のダメージとなった。
しかし、食料品を主たる取り扱い品目とするチェーンストアは休業せず、行き場を失った消費者が集中したことから、むしろ前年を超えるところも多く、今も前年をキープし、8月の猛暑の中でもプラスをマークしている。
ところが、SCや百貨店はどうだろう。
緊急事態宣言後、一時はリベンジ消費と呼ばれるものがあったものの未だ20%減を続け、むしろ下降気味だ。
この差は何か。
これが不要不急かそうでないか、その差ではないだろうか。
今、営業不振の施設や店舗の取り扱い品目やサービスが、「不要不急のものに偏っているか」、「インバウンド客を目当てにしていたか」。
ここが大きい。
そして、今も「宴会禁止」「飲みに行くのも禁止」「泊りの出張は禁止」とする企業も多い。
加えて、在宅ワークの広がり。
飲食店は相当の厳しさだ。
テナントの中には毎月資金ショートする企業もいる。
これらが相まって、SCと百貨店の低迷は続く。
もちろん、住宅立地の施設では元に戻ってきたところもあるが、平均はこの下落値。
今、海外に目を転じればコロナによって亡くなった方が100万人。
そして拡大を続けている。
ということは、当分、海外からの外客は当てには出来ない。
とすると、内需(国内消費)が伸びなければ復調は期待できない。
国民のメンタリティと社会的な自粛圧力と緊縮ムード。
このままでいくとワクチン、治療薬が出来ない限り、企業は「飲み会禁止」「出張禁止」を緩めないのかもしれない。
そうなると、この20%ダウンをベースに収益構造を考えないといずれショートしてしまう。
預貯金、内部留保があるうちに縮小均衡の収益構造を作ることが必要なのか。
萎縮しては元も子もない。
まずは、「今を乗り切る」と割り切った行動も必要だろう。
そして、こんな社会でも成績を伸ばしている企業やビジネスは必ずある。
それをしっかり見ることも大切だと思う。