新型コロナウィルスの影響で倒産する企業が増加してきた。
キャスキッドソン、ファーストキャビン、メルベイユアッシュ、レナウンなど
海外でもニーマンマーカス、JCペニー、Jクルーなど
どこも有名な会社で驚きばかりだ。
ただ、破産や清算だけでなく、民事再生やチャプター11を選択する企業もあるので、倒産(=閉店)となるところばかりではなさそうだ。
でも、民事再生になれば、利益の出てないお店の閉店はマストになるから相当の閉店数が出ることは間違いない。
残念ながら人口の少ない(商圏規模の低い)地方の百貨店や商業施設から空室が広がる可能性は大きい。
今朝の新聞には「コロナが企業をふるいにかけている」と報じられていたが、さすがに手持ち資金が少なく、この先、立ち直る道筋が見えない限りは債権者を増加させないためにも早めの法的処理を選択することは正しい。
失業する方の落胆は想像に難しくないが、企業の勇気ある選択は社会的には評価されよう。
ようやくここへ来て緊急事態宣言の解除も進み、徐々に生活は元に戻る流れが出てきた。
しかし、このコラムで幾度となく指摘してきたが、PCR検査が滞っている現状では、隠れ罹患者を特定できていないので、このまま人の移動と接触を緩和すれば、第2波第3波が訪れるだろう。
では、すべての人が抗体を持つか、治療薬が開発されるか、この2つを待つ間、ズッとこの自粛を続けるのか。
そんなことは出来ないだろう。
倒産が相次ぎ、多くの失業者が出ることも大きな問題だ。
これまでコロナで亡くなった方は743人、1月にお餅をのどに詰まらせて亡くなる方は1,300人、交通事故死者数は3,200人。
餅で亡くなる人がいるから餅の販売を禁止したり、交通事故者がいるから車の販売を禁止したり道路を閉鎖したりしない。
それこそ、肺がんで亡くなる方は70,000人を超える。
でも、煙草を売るのを止めない。(本当はこっちの方がもっと深刻なはずだ)
だからと言ってウィルスで亡くなる人を仕方ないと言っているのではない。
志村けんさん、岡本行夫さん、岡江久美子さん、皆、悲しいに決まっている。
でも、今回、ウィルスの特徴も少しずつ、分かり始めた。
予防には、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンス、消毒、3密の回避などを徹底しながら、年内とも言われる治療薬の開発まで共生の道を探ることも必要ではないだろうか。
実際、移動や外出を自粛したら、感染者は激減した。
だから、しばらくは不要不急の外出を控え、飲み会も残念ながら元のように開催するのは止めよう。
特に立食パーティのような大勢で近距離で会話するようなイベントも難しい。
韓国のナイトクラブがその例だろう。
名刺交換会、異業種交流会などはしばらくお預けとしよう。
ここへ来て、大阪府は数字を示しながら、府民に納得感を得ながら、ウイルスとの共生の道を探り始めた。
社会活動は、常に選択だ。
自然科学と違って、絶対的に正しいことなど無い。
ウィルスによる医療従事者のご苦労や医療現場の苦悩。
感染者の数と死亡者数。
経済的な破綻と持続と継続。
これら多くの情報と事実と国民の納得感と生活、これらを勘案して選択する時期に来ているのではないだろうか。