2000年に開業した御殿場プレミアムアウトレット。
20年目にして4期目を増床オープンする。
開業日は、2020年4月16日、今から1か月後だ。
新しいエリアの名前は「Hill Side(ヒルサイド)」
店舗面積約 1万7千㎡、物販72店舗、飲食16店舗(既存店舗の移転 22 店舗含む)計88店舗がオープンするという。
既存エリアとあわせて、全体で店舗面積約6万千㎡となり、日本最大級のアウトレットセンターになる。
この面積は、RSCをしのぐ規模だ。
※ホームページから借用しました。
急ピッチで工事が進んでいる。
今回の増床部分「HILL SIDE」エリアは、既存のEASTゾーンとWESTゾーンからそれぞれ接続される。
この写真はEAST ZONEからの連絡通路。
ここからは高台に向かうのでここからエスカレーターで上がることになるようだ。
奥の高台に昨年12月に開業したHOTEL CLADが見える。
今回の増床でこのHOTEL CLADも直結される。
ホテルと温泉とアウトレット、また、違った楽しみ方が出来ることになる。
今回、注目すべきは、全体の動線計画が「ガラッ」と変わることだろう。
これまでWESTゾーンとEASTゾーン、2つのサーキット型モールを橋で接続し回遊性と界隈性を演出していたものが、HILL SIDEの完成と共に「WEST EAST HILL」、この3つ大きく回遊するマスターサーキット動線が出来上がる。
NY近郊にある「WOODBURY COMMON PREMIUM OUTLETS」を思い起こさせるようなスケールだ。
https://www.premiumoutlets.com/outlet/woodbury-common/map/#/
「サーキットモールを連鎖型で増床する」
これまでに日本では見られないモール形態だ。
この動線計画によって顧客の流動がどう変化するのか。
関係者の方は是非、前後の変化を分析して欲しい。
それほど、ユニークなものとなるだろう。
そして、もう一つ。
新ゾーン名が、HILL SIDEと命名されたようにパースからは段々畑のような構造を取っているように見える。
これまでのプレミアムアウトレットでは見られなかったパターンだ。
残念ながらここからは高低差とその処理、顧客の回遊動線、これらが分からないので開業を非常に楽しみしている。
「西山さんは視察の時、何を見ますか」と聞かれると真っ先に「顧客動線です」と答えると以前このコラムにも書いたが、商業施設は動線が命。
※視察の3つのポイント
https://scandpartners.jp/blog/post-1245
動線は一度作ったらそう簡単に変えられない。
今回のHILL SIDE開業で設置されるデッキも作ってしまえば、それを作り替えることは容易では無い。
だから、Premium Outletsでも相当検討を重ねたことと思う。
かねがね、御殿場プレミアムアウトレットが他のショッピングセンターと決定的に異なり、決定的な強さは、この写真にあるEASTとWESTを結ぶ橋にあると思っている。
「えっ、この橋が??」と思われる方もいると思う。
通常、商業施設を造る時は、顧客の購買モチベーションを下げないよう売場を連続させる。
しかし、ここは、敷地の形状から2つのゾーンを行き来する時は、深い渓谷を橋で渡ることになる。
実は、このタイミングで顧客は、非日常空間と橋を渡る精神的な不安定感を感じる。
これこそが顧客のワクワク、ウキウキ、ドキドキ、この感情を奮い立たせるために大きく寄与すると思っている。
わざわざ感、と言ってもいいだろう。
ブランドとテナントとオープンモールとしての広がり。
これらと相まって他と完全に差別化された空間を作りだす。
次回、行った時は、是非、そんな目でこの橋を渡ってみてください。
御殿場プレミアムアウトレットが開業したのは2000年。
今から20年前。
まだ、アウトレットセンターの黎明期。
この時、誰がここまで成長すると予想しただろう。
そして、20年前、「うちはアウトレットなんてやりませんよー」と言っていたブランドすべて出店している。
時代も変わった。
そして、ブランド1社1社を説き伏せていったプレミアムアウトレットの担当の皆様の不断の努力の結果だ。
継続こそ成功の秘訣。
そんなことを感じてきました。
開業までに新型コロナウィルスが沈静化していることをお祈りします。
■御殿場プレミアム・アウトレット
所在地:静岡県御殿場市深沢1312
店舗面積:第4期エリア約1万7000m2
店舗数:88店(第4期エリア)
総敷地面積:約42万2200m2
営業時間:10時~20時
休業日:年1回(2月第3木曜日)
https://www.premiumoutlets.co.jp/gotemba/