SCアンドパートナーズ

Vol.351 「業績下方修正で考えること」

ここへ来て、百貨店、アパレルメーカーが新型肺炎の影響で業績を下方修正すると言う。

今回の新型ウィルス騒ぎ、事業者側としては全くの不可抗力。

予想外のことであり、ご担当の方達の落胆は相当のことだろう。

しかし、起こってしまったことは現実だ。

現実をいくら嘆いてもしかたない。

受け止めるしかないのだ。

「売上不振は、新型肺炎のせいだ!」といくら叫んでも売上は上がらないし、何の改善にもならない。

ここへ来て、機械メーカー、電子メーカーなどは調達先や製造場所を中国だけに依存せずに各所に分散することを考え始めた。

インバウンドに頼る百貨店。

百貨店売上に依存するアパレルメーカー。

それぞれ、この機会にその依存度を見直し、分散することを考えるべきだろう。

これまでのお付き合いもしがらみも成功体験もあるだろうし、売る顧客を多様化することは効率も悪い。

目の前の売上をみすみす手放すのは怖い。

でも、人やモノの移動が自由なグローバル時代にあってはこれからも必ず起こる。

とにかく何かに依存したビジネスは必ず痛い目を見る。

テーマパークの集客をアテにして作られた商業施設が予想通りの集客がされずに苦労する。

そんなこともよく耳にすることだ。

強い企業、強いビジネスとは、環境変化に対応できること。

今回の新型ウィルスを契機に色々見直したらどうだろう。

そして、もう一つ。

下方修正の理由の「暖冬による不振」

もう、これも聞き飽きたフレーズだ。

毎年言ってはいないか。

気候の温暖化は昨日今日始まったことではないはず。

下方修正の理由に「暖冬」、この言葉を入れることは、何年も無策だったことを言うようなもの。

南極でさえ、20℃になる時代だ。

分散と環境対応。

今回、考える機会にしたい。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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