このコラムVol.265でも指摘したが、ZOZOをYahooが買収、楽天が楽天ファッション、とネットの世界ではアパレルへの進出が目立つ。
ZOZOの買収は顧客データ狙いだ、という指摘もあるが、皆、関心の中心を洋服に置く顧客だ。
そして今度はニトリがアパレルを始めた。
作業着のワークマンがアパレルの売れ行きを伸ばすのも注目される。
洋服は売れなくなったのではなく、「売れるものが変った」「売れる場所が変った」「買う人が変った」の3つなんじゃないのかと思う。
人口構造 × 気候変動 × ネットの普及 × テクノロジーの進化 × 消費者の意識 × 物流の整備 × 不動産価格と建設費の高騰
この掛け算をすると答えが出てくるような気がする。
そして、ずっと洋服に疑問を持っていることがある。
それはサイズだ。
S、M、L、LL
7、9,13
48,50,52
など、作り手が勝手に作ったサイズに顧客が合わさなければならない。
こんなことを言うと
「当り前じゃないか、1人1人に合わせて作ってたらいくら掛かると思っているんだ?それに効率が悪いだろ」
という答えが返ってきそうだが、年間、その効率を求めて何十億着も作って廃棄していることの非効率さをどう考えたらいいのだろう。
最近、少しづつ、ジャストフィットのものを作って提供するブランドやメーカーが出てきている。
これまでのように全国にたくさんの店を作って、そこに大量に流す仕組みがそもそも限界に来ているのではないか。
過去、ネットやテクノロジーが発達していない時は、店舗を全国隅々まで作って、そこへ規格化された洋服を大量に送って販売し、在庫になったらセールで処分する。
この仕組みがもう過去のものになろうとしているのではないだろうか。
顧客に近づくマーケティング。
これは間違っていないだろう。
でも、今、事業者の近づき方が変ってきたし、むしろ、顧客が24時間どこからでもアクセスする(出来る)。
情報は消費者の方が持っている時代に未だ接客ロープレでも無いだろう。
人口構造の変化 × 気候変動 × ネットの普及 × テクノロジーの進化 × 消費者の意識 × 物流の整備 × 不動産価格と建設費の高騰
この環境変化を取り込み始めたアパレルが売れているのではないだろうか。
今日は12月29日。
「暖冬で洋服が売れなかった」と今年はもう言わないで欲しい。