令和に入り、この30年の日本の停滞ぶりを指摘する記事が増えた。
確かにアジア諸国に行くとテクノロジーの進化を背景に新しいサービスが商品が次々と生み出されている。
先日、このコラムにも書いたが、日本のショッピングセンター運営で売上金預かり賃料精算をしていることにキャッシュレスの進む中国の方に驚かれたこともその一例だ。
「日本人はそんなことしてるのですか?」と。
この秋、日本国内にも大型の商業施設や複合施設が開業したが、アジア諸国で見る開発に比べると小さく目新しさは無い。
開発を担当する方の努力の上、開発を進めているのにこんなことを言っては失礼に当たるが現実のことだ。
日本の大規模都市開発は、10年、20年、時には30年という歳月をかけて権利者をまとめ、監督官庁と協議し、周辺住民の同意を取り付け、実現にこぎ着ける。
諸外国ではこんな悠長な開発話は少ない。
私権を大切にする日本の良さ、と言ってしまえばその通りだが、開発に10年も20年も権利者調整にかかっていては諸外国のスピードにかなうわけは無い。
先日、ラスベガスに行った際、Uberの普及と便利さに驚いたが、日本で法律が規制してUberEatsしか展開出来ないと言う。
最近では、物流もこういった仕組みで個人が担うサービスも出てきたが、やはり日本では、「貨物軽自動車運送業(黒ナンバー)を持つ人でなければ個人の貨物ドライバーになれない」のだそうだ。
昔、クロネコヤマトが規制に果敢にチャレンジして今の宅配便事業を作り出し、今や国民にとって無くてはならないサービスになったことの第2ステージと言えるだろう。
日本は、私権や既得権益を守るため多くの規制が存在する。
そこに守られている人たちにとっては居心地がいい。
でも、これだけ遅れてきた日本の惨状を見ると焦りも感じる。
確かにUberを利用した人たちが犯罪に巻き込まれることもあると聞く。
規制と保護。
いつの時代もこの狭間に揺れ動く。
でも、相変わらず、接客とコミュニケーションにこだわるショッピングセンター事業は化石となりはしないか。