普段、「少子高齢化」と「少子化」と「高齢化」をいっしょくたに表現する。
でも、少子化と高齢化は、本質的に全く違う事柄ではないだろうか、と思っている。
高齢化は長寿国家になった証。
本当は喜ばしいことなのではないか、と。
それを問題と言っているのは、「医療、介護、年金」こういったシステムが追い付いていないからだ。
だから高齢化が問題なのではなく、「高齢化が問題と思っていることが問題」なのだ。
要するに高齢化社会になっても問題にならないような社会システムを作るしか選択肢は無い。
逆に少子化は本当の問題ではないかと思う。
先日、厚生労働省から今年の出生数は前年に比べて5.6%の減少と発表があった。
ひょっとすると今年は出生数が90万人を割り込むのでは、とも。
団塊の世代の時は270万人生まれたのが、今はその3分の1。
これじゃ国家経営は成り立たない。
子供を産む産まないは個人の自由。
でも、子供をもうけたいと思っている人には東京圏は厳しすぎる。
殺人的な通勤電車、保育園不足と待機児童、長時間労働、高い住居費。
とにかく、首都圏の交通インフラは脆弱だ。
東京都で指定されている都市計画道路で完成している割合は何%なのか。
都市計画決定されたままの道路は相当残っている。
指定容積率の何%が使い切っているのだろうか。
低未利用の土地が多い。
そして、住居費が高すぎるからどうしても住まいは遠い郊外になる。
そうすると余計に通勤時間が長くなり、預けた子供の急な発熱などで戻るのもそれは大変だ。
子供を引き取りに来たお母さんは本当にへとへとになってる。
少子化は、いろいろな理由が混ざり合っているけれど、この東京圏の状況を何とかしてあげないと。
地方再生も大切。
でも、人口の集中する都市圏をもっと暮らしやすくすることが重要なんじゃないかと思う。
人口減少は昨日今日始まったことじゃない。
団塊の世代270万人、団塊ジュニア200万人、もうここで分かっていたはず。
どうなってるのかニッポン。