常日頃、製品の製造や商品の開発やサービスの提供には成功の原則があると思っている。
成功のために絶対必要なのは「サイエンス」と「アート」の2つ。
サイエンスとは、テクノロジーや新技術や匠の技や蓄積されたノウハウ。
アートは感性に訴えるもので、「綺麗」「かわいい」「欲しい」「持ちたい」と思うような心が高揚するようなもの。
どんなに技術的に優れていても美しくなければ人は持ちたいと思わない。
昔、自動車はまさしくこの2つが共存していた。
歴史的建造物や絵画や工芸品も美しさの中に幾重もの工夫と匠の技が隠れているからこそ、人々に感動を生む。
陶芸などその最たるものだろう。
人間国宝と呼ばれる人が織りなす技は感動を呼ぶ。
これが工業製品になると少し変わる。
どんなに優れていても、どんなに美しくても、不便なもの、機能性が低いもの、生活を楽にしてくれないものは欲しいとは思わない。
windowsが発売された時はびっくりした。
それまでDOSという固い画面が突然マルチウィンドウになり、表計算も文書作成も一度に出来るようになった。
これは便利!と感嘆したものだ。
MAC(マッキントッシュ)はもっと早くマルチウィンドウだったけど。
そして、次が最強の4原則だ。
すごい! 美しい! 便利! 簡単!
この4つが揃うと最強だ。
これがまさしく2008年に発売されたiphoneだ。
それまで通話機能だった携帯電話が、突然、手の中のパソコンになった。
しかし、使いやすい、簡単。
分厚いマニュアルなど入っていないほど。
これまで多くの製品、商品、サービスが開発され、発売されるが、売れるものとそうでないものに分かれる。
いろいろな事情はあれども、この4原則が満たされたものに顧客はお金を惜しまない。
価格競争に巻き込まれないのだ。