今朝の新聞に「テナント減少 8割が女性服 通販やフリマアプリ影響」との見出し。
2,400か所のショッピングセンターにおいて過去2年間で1,600店舗の女性服が無くなり、そのシェアは8割に上ると言う。
最近のレディースのメーカーの不振の報道も目に付く。
関係者の方は本当に苦労の連続かと思う。
この記事では、その原因をネット販売やフリマアプリに求めている。
確かにこれまで無かったサービスだからそこを原因として説明することは容易い。
店長さんも「ECに取られている」と言い訳にもしやすい。
でも、日本のEC化率はわずか6.22%
洋服のEC化率も12.96%、家電等の32.23%と比べたら半分以下だ。
その12.96%のうち、ショッピングセンター内の店舗で重複している割合は当然これを下回るだろう。
このECの伸長は確かにリアルの売場には影響があると思うが微小ではないだろうか。
そして、この議論は市場規模は変化していないことを前提にしている。
単に購買チャネルが店舗からネットに移ったのだ、と。
果たしてそれだけか。
市場は大きく変わっている。
下記は以前にも掲載したが、日本の人口構造の変化である。
今から20年前、洋服は売れた。
なぜなら人口構造がそうさせたからだ。
でも、その時とはまったく市場規模が違うのである。
その20年前に流行した服が市場から支持を失っているだけではないだろうか。
そして、近年の台風などの災害をもたらす気候の温暖化。
今回の浸水災害を目の当たりにキラキラした服ではなくて機能性を求める意識が芽生えるのは当たり前ではないか。
もう昔とは違う。
今日だって10月下旬になろうとしているのに20℃を超え、半袖の人もいる。
にも関わらず、セール⇒秋物というスタンスも変えない。
市場規模の縮小と機能性を求める消費者の意識変化、そして気候の変動。
ECのせいにしていては何も変わらない。