このグラフは、百貨店協会と日本SC協会が発表している売上高を並べたもの。
これを見ると、SCが圧倒的に優位と映る。
でも、SCの売上って、そもそもSCが自らで売っている訳ではなく、入居しているテナントの売上げであって、SCの売上では無い。
ましてや、この売上高には、SCに入居している百貨店も入っているのでは?と疑問も出る。
ダブルカウント?
それに比べ、百貨店協会の発表している5.9兆円という売上高は何を表しているのだろうか。
買い取り販売、消化仕入れ、営業委託などなど自らの売上高の総計だろうか。
でも、百貨店の館(建物)の中には、最近では相当数の建物賃貸借契約で入居する専門店がある。
先日、大阪で開業した百貨店も60%が定期借家契約と報道されている。
ここで疑問なのは、本当に百貨店は、どんどん売上が落ちているのだろうか、ということだ。
確かに閉店する百貨店も多いので店舗数が減少し、その分、売上も減少しているだろう。
でも、SCのように自分の売上でも無い売上を売上と発表しているのだから、百貨店も専門店も含めた売上高を発表してはどうだろうか。
百貨店は利益率が一桁台。
でも、これも国際会計基準に照らせば消化仕入れは売上高に計上されないから分母である収入は極端に小さくなるから利益率は格段に上がることになる。
だいたい、お客様から見たら賃貸借契約も消化仕入れ契約も関係の無い話。
事業者側から見ても消化仕入れも完全売上歩合賃料も同じこと。
賃貸リスクか商品リスクか、それらリスクの負担の問題だ。
要は店舗運営の考え方の違いだけではないだろうか。
そこで考えたのは、「百貨店は売上げは低迷し利益率が悪い」という汚名を挽回することが実は可能では無いのか、と。
別に百貨店ビジネスを擁護しようとも無理矢理存続させようと言うわけでは無い。
とにかく、同じ土俵で比べたらどうなるか。
それだけだ。
今日、なぜ、この話題を出したかというと、「SCか、百貨店か」、この議論にそろそろ終止符を打つ時期に来ているのではないか、と思ったからだ。
結局、どちらも不動産(建物)を小売りで使うか、賃貸で使うか。
その違いだけなのだから。