SCアンドパートナーズ

Vol.244 「圧倒されるジュエル」

今年4月17日、4年間にわたる工事の末、開業したチャンギ空港に隣接する「ジュエル」
1400億円の総工費にも驚くが何と言ってもその外観。

シンガポール空港にオープンした新施設「ジュエル」がスゴイ。

まるでガラスのアート。
このデザインはマリーナベイ・サンズを建築したモシェ・サフディ氏によるもの。
この中が丸々ショッピングセンターになっている。

その中で圧巻なのは、中心にあるこの滝。

常時、この水流で水が落ちていく。
そして周囲はぐるりとジャングル。

滝の脇を走るのは空港のターミナル間を無人で周遊するトラム。
だから、T3とT2を結ぶトラムに乗ると一番まじかに見ることが出来る。

トラムがジュエルに吸い込まれるように入っていく。

何もここで!と思うが空港とジュエルは一体化しているからこんなことも可能ということか。

このジャングルのような大きなアトリウムの周りをモールが周遊する。

真ん中に滝、その周りを森、その周りをモール、そこに空港が隣接する。

モールからそのまま空港へチェックイン。
モールと空港がシームレス。
新しい。

施設は計10階(地上5階、地下5階)に広がり、280のショップやレストラン、ホテルやラウンジ。

JR東日本の経営するJW360°も入居。

日中はそれほどの人がいなかったのに夜になるとものすごい人の数。
南国だからか。

でも、見ると現地の人のよう。
皆、ご飯を食べに来るのか。

ウォーターフォールではショーが始まり熱気で包まれる。
エンターティンメントそのもの。

少し残念なのは、モールの「R(曲線)」がきつく、店舗の間口が広いので、視界が狭く見通しが効かず、モールのダイナミックな空間を今一つ活かせてないことか。

もう少しRが緩く遠くまで見通すことが出来、店舗の数が多く見えると商業空間としては完璧なんだけどね。

でも、今回改めて思ったのは、今後、商業だけでは集客が難しくなるからこういったエンターティンメントで人を呼ぶことをSCデベロッパーは真剣に考える必要があると言うことだろう。

デベロッパーの役割。

もう一つ。
ここの設計のユニークなのは、駐車場とモール(店舗)が一体的に重層的にデザインされていること。
これは実際に見ないと分からないですね。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-