SCアンドパートナーズ

Vol.223 「2,000万円の効果」

6月3日に金融庁がまとめた「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 高齢社会における資産形成・管理」は興味深い。

今回、人生において「2,000万円が不足する」と数字だけを捉えていろいろな議論が出ているが、この報告書を見ると決して不安をあおるものではなく、むしろ、しっかりと人生を見据えて「資産形成を行おう」、「イデコやNISAを活用しよう」、「金融リテラシーを高めよう」と自助努力を促している普通のレポートのように見える。

むしろ、2,000万円という数字が出てきたことで目標数字が示されたようにも思う。
では、その2,000万円を公的な仕組みを使ってどうやって貯めるのか。
そんな疑問に今日の日経新聞が的確に示している。

今、日本の国民が抱える老後の不安についてワーキンググループの報告書19ページに以下の調査結果が掲載されている。
20代から50代までの1位はすべてお金だという。

皆、お金に不安を抱えている。
では、どれくらいお金があったら大丈夫と思っているのか。
それが、以下の結果になる。

20代の2,333万円~60代70代の3,553万円の差はあれど相当の金額を想定している。
年齢を重ねると必要と思う金額が大きくなるのは不安を感じるが各年代で2,000万円を超える。
皆、漠然と不安に思い、貯蓄に走り、多くの個人金融資産を形成することになる。

もし、今回の2,000万円が正しければ、これを超える金額は貯蓄する必要はないと言うことにもなる。
不安によって貯め込むことなく、それが消費に回れば経済活動も活性化するだろうし、皆の生活も豊かになるだろう。

何を言いたいかと言うと、2,000万円が正しいかどうかは別にして、いたずらに不安を持つことで貯蓄に走ることは社会にも個人にも良い結果をもたらさないのではないのか、ということだ。

日本では、皆、老後に不安を抱える。
どうやら公的年金はこの先アテに出来ないだろうと漠然と思っている。
この漠然と思っている不安にキチンと数字が示されれば、その不安の限度(到達点)が見えて、気持ちが楽になるのではないだろうか、と思う。

一度だけの人生、「不安を抱え、働き続け、貯蓄に走り、一生を終える」
そんなことにならないように。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。

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