2019年7月9日、「SC・商業施設のテナントリーシング理論セミナー」を開催しました。
場所は、銀座フェニックス会館。
会場に到着するといつもこんな光景が目に飛び込みます。
実はこの瞬間が一番緊張します。
「うぅ、ここで話すのか」と思い、心臓が高鳴ります。
何に緊張するのか、というと「どんな方が参加されるのか」です。
あらかじめ社名とお名前の一覧を見せていただくのですが、もちろん、初対面の方がほとんど。
空港会社、不動産会社、オーナー、PM会社、メーカー、テナント、投資ファンド、コンサル、百貨店、鉄道会社、駅ビルなどなど。
ご参加の企業や職種が多彩でどこに興味があるのか、分かりません。
果たして満足して帰っていただけるのか。
ここに緊張の種が潜みます。
そんな心配をよそに開始時間はやってきます。
テナントリーシングをテーマに開催するのは1年ぶりです。
今回の主催会社は「株式会社日本ナレッジセンター」です。
このセミナーは、テーマをテナントリーシング理論としていることから分かるように業務の基礎的なことを中心に進めます。流れはこの15のステップを1つずつ解説していくことになります。
「テナントリーシングセミナー」は私以外も各所で開催されていて、講師によってそのアプローチは異なります。
私のアプローチは「SCテナントリーシングとはこの15のステップをマネジメントすること」です。
これは断片的なトレンドや交渉術といったものではなく、一気通貫、業務の流れを理解する上で単なるテナント誘致に終わることなく、商業用不動産の根底に流れるコンセプトを理解して欲しいと願うからです。
でも、与えられた時間は、わずか3時間。
投影pptは200枚。
相当なボリュームの情報をお伝えすることになります。
通常のこのフレームで企業研修として行う場合は、3日かけて行うところを3時間でやろうと言うのですから、参加者も大変だと思います。
今、テナントリーシングは困難を極めます。
なぜなら、人口減少、高齢化、アパレルの不調、ECを始めとする競合の激化、数え上げたら難しい理由を限りなく挙げることができます。
でも、そこに愚痴を言っていても何も始まりません。
今の変化を現実のものとして受け止めなければなりません。
そんなことも理解してもらう3時間でもあります。
私はテナントリーシングのセミナーの時、必ず、お伝えすることがあります。
それは、「SCは船」です。
テナントリーシングという業務は、テナントの皆さんに「我々が建造した船(SC)に乗船しませんか」と言いに行く仕事だと思うのです。
大きな船を何十億、何百億というお金をかけて建造する。
そして、マーケットという大海原に出航し、長い長い航行をに挑む。
その時、この船はどこにいくのか、どういった航路をたどるのか、他の乗船者はどんな人なのか、乗船代は妥当なのか。
これをしっかり説明することが出来なければ、怖くて乗船出来ません。
当たり前ですね。
この船に夢を持って、まるで16世紀の大航海時代のように夢とビジョンを持ってテナントの皆が乗り込む。
そんなテナントリーシング業務でありたいな、といつも思います。
さて、今回、キャンセル待ちの方が20名ほどいらっしゃいましたので来月8月6日に追加で開催することになりました。
ただ、こちらの回もすでに満席。
ご参加を検討された皆様には大変ご不便をおかけしております。
近々、追加開催も検討したいと思いますので、その節はよろしくお願いします。
一緒に「航海の夢」について考えましょう。