今年11月に街開きを予定する「南町田グランベリーパーク」
ここに「生活遊園地~くらしの『楽しい』があふれるエンターテイメントパーク~」をコンセプトに開業するのが「グランベリーパーク」
隣接する鶴間公園と一体的にデザインされ、お買い物や体験、いろいろな楽しみ方ができる7つの屋外広場が出来る。
完成予想図
ここは2000年から2017年まで営業した「グランベリーモール」があった場所。
閉鎖前のグランベリーモールの風景。
グランベリーモールは開業から運営まで携わった思い入れのあるSC。
このプロジェクトが大きな転機となって今の自分があると言ってもいい。
人生を変えたプロジェクトだ。
当時、核テナント無しのオープンモール、かつ、アウトレット・プロパーのコンプレックス。
多くの商業のプロと言われる人達に「そんなのうまく行くわけない」と言われたっけ。
でも、プロジェクトメンバー皆、絶対にうまく行くと確信していたからこその成功だったと思う。
だから、ここが閉鎖される時は涙も出た。
でも、もっとパワーアップした「グランベリーパーク」が行政や地元の協力で着々と開発が進む。
感慨深い。
11月の開業時には、約230店舗が開業する。
その4割がアウトレット業態、3割が飲食・食物販、その他、アウトドアやエンターテイメント施設が集積。
かつてのグランベリーモールのコンセプトが引き継がれつつ、その上、当時、実現出来なかったことの多くが取り込まれ、本当に素晴らしい計画になっている。
担当されている皆の努力に感謝しかない。
南町田駅の改良も進んでいる。
大屋根の姿が見えてきた。
(2019年7月2日撮影)
この駅はこんなにも素晴らしい駅へと変身する。
駅そのものが商業施設だ。
降り立った人はその空間に驚くに違いない。
駅からの通路にはこんなパースも掲出されていて期待感も上がる。
全容も周囲から少しづつ見えてきた。
パースそのもののデザインとテクスチャー。
ローコストながらきめ細かい工夫を感じる。
そして駅からつながる歩行者用デッキ。
以前のグランベリーモールの時の倍以上の幅員になる。
こういった構造物を公道の上に建設することがどれほど大変なことか。
開発に携わる方にはお分かりだろう。
行政の協力があってのこと。
2000年の旧グランベリーモール開業の時は、あまりに多くの人が来場したため大混乱。
デッキが揺れるほどの来場者だった。
これには慌て、一方通行に切り替え、お客様に迂回してお帰りいただいた橋。
懐かしい思い出だ。
モンベルも日本最大級の約2,250㎡の売場面積で復活。
クライミングが体験できるウォールやカヤックが試乗できる人工池まで用意されるらしい。
レストラン併設型の「スノーピーク」もあってアウトドア好きにはたまらないだろう。
109シネマズも最新鋭の上映システムで帰ってくる。
そして大きな目玉は「スヌーピーミュージアム」
世界中から来場者が来るとか。
大きな魅力の一つだろう。
公園と一体となる計画は圧巻。
これまでの商業施設は、「モノを売る」ことが第一であとは付随。
でも、今はモノを買うことより、それ以外の価値を求める。
その価値をどうやって作っていくか。
それがリアルの最大の課題。
その課題を解決することを目指す。
単に商業施設を作ることではなく、街の基盤整備、防災機能、公園、滞在性、アクセスの向上、そういった公共性を持った開発がこれから求められることになだろう。
今回、出来上がる施設を見て強く感じたことは「建築デザインの重要性」だ。
大規模プロジェクトでは、工事費が大きくなるため、どうしても建築設計のデザイン業務にかかる費用を節約したくなる。
でも、同じ工事費ならクオリティの高いデザインの方がいい。
デザインにかかる金額は本体工事費と比べればほんの数%
この数%をケチることで起こる損失は計り知れない。
同じ100億円の工事費でもデザイン次第で大きく変わる。
作品を作れ、と言っているのではない。
お客様に長く愛されるための建築物を作って欲しいということ。
使いにく施設では仕方ない。
感動を呼ばないとお客様の満足度は上がらない。
商業施設としての使いやすさ、利用のしやすさ、メンテのしやすさ。
そしてデザイン性。
これを満足すること全てがデザイン性。
たまプラーザテラスのデザインを担当してくれたジョン・ロウ(LLA)が、「ビジネスが成功して初めて評価されることが商業施設のデザインです」と言っていたことを今でも思い出す。
その通りだと思う。
そして、もう一つ大事なのは、「ランドスケープ」。
これも同じ工事費でも優れたランドスケープデザインだと街全体の価値も大きく変わる。
コストをかけるところのメリハリ。
ここがプロジェクトマネジメントは一番重要だろう。
グランベリーパーク、開業まで5か月。
楽しみにしています。
1つだけ気になっているのは、発表されたテナントリストにアウトバックステーキハウスの名前が無いこと。
アウトバックは、グランベリーモール開発の時、日本1号店でアメリカから誘致したレストラン。
言い尽くせないほどの苦労の末の誘致だったので、もし、今回出店しなくてもいつか戻ってきて欲しいと思う。
南町田グランベリーパークの詳細は
http://minami-machida.town/
【商業施設概要】
施設名 称 「グランベリーパーク(Grandberry Park)」
所 在 地 東京都町田市鶴間三丁目3-1、4-1 他
敷地面 積 約83,000㎡ / 延床面 積 約151,000㎡
店舗面 積 約53,000㎡ / 店 舗 数 約230店舗
駐 車 場 約2,000台
着 工 2017年5月9日
設 計 株式会社東急設計コンサルタント
施設デザイン 株式会社LLT (ラグアルダ・ロウ・棚町建築事務所 )
ランドスケープデザイン Fd Landscape