ショッピングセンターにはどんな種類があるのか。
いろいろな分け方があるが、この表は、日本SC協会の資料を私がカスタマイズしたもの。
(そのため日本SC協会の定義するSCの取り扱い基準とは合致しないので注意)
大きく4つに分かれる。
まずは、面積別機能別商圏別で分類される、「NSC」「CSC」「RSC」「SRSC」
店舗面積が大きくなるにつれてテナントや商品の幅が広がり、自ずと商圏範囲も広がる。
逆に商圏が広がらないと大きな店舗面積を維持できない。
機能もNSCであればデイリーユースが高くなり、RSCになれば週末型時間消費性が強くなる。
商圏の広がりを確保できない場合は、小商圏型を選択し、敷地面積のキャパがあり、商圏規模も広く予想されればSRSCも可能となる。
商圏の広がり(商圏内世帯数)×消費額×占有率で店舗面積が規定される。
次にテナントの種類によっての分類。
アウトレットセンター(日本ではアウトレットモールと呼ばれる)は、ファクトリーアウトレットストア、リテールアウトレットストア、オフプライスストアの集積と定義できる。
ただ、最近は食も充実しレジャー化しているのでエンターテインメント施設も導入され、過去のアウトレットセンターとは大きく変わってきた。
インバウンド客の増加も手伝って売上好調の施設も多い。
今、日本には40か所ほど立地する。
パワーセンターは、カテゴリーキラー、ディスカウントストア、ホームセンターと言った大型店の集積。
アメリカには、このフォーマットがたくさんあるが、日本ではあまり見られない。
基本的な考え方は、ダイレクトパーキング(店の前に駐車)で割安なものを購買する。
だから時間節約型。
長い消費活動を行うというより、自分の目的のものをなるべく効率よく買い物をするショッピングセンターと言っていいだろう。
次に形態別。
「駅ビル」「エキナカ」「ファッションビル」「地下街」「高架下」「複合型」
このうち、駅ビル、エキナカ、ファッションビル、地下街、高架下、これからは日本独特のもの。
諸外国ではあまり見られない。(無いこともないが)
これは鉄道を中心とする街の生成と人口密集が激しい日本の国土の特徴を表している。
そして、複合型。
実は今、このパターンが主流になっている。
複合とは、商業だけでなく、住宅、オフィス、ホテル、劇場など多様な用途の複合。
目的は、多用途によって物件内でポートフォリオ経営を行う発想である。
次に立地別。
高速道路のSAPA、空港商業、カジノ商業。
これらは商業施設を作るためではなく、主たる集客機能があり、その付帯施設、もしくは付加価値、もしくは利益の拡充などによって開発される。
SAPA、空港商業、カジノ商業、これらは日本ではあまり注目されてこなかった分野でもある。
法体系や運営主体の公共性から営利事業からは外れていたこともある。
今後は大きく伸びる分野だろう。
この表を作成していて一番感じたのは、やはり、ショッピングセンターにはイノベーションが止まっていることだろう。
面積の大小、立地の相違、扱い商品の特性などの違いだけでビジネスモデルはどれも同じだし、既存のSCが、「リニューアルしました!」と言っても店舗の入れ替えや改装程度。
どれもマイナーチェンジの繰り返し。
そろそろECに怯えることの無いようなイノベーションが必要になってきているのだろう。