2020年4月1日から施行される改正民法の考え方は、
1.国民に分かりやすくすること
2.社会経済の変化に対応すること
のコンセプトで作られました。
120年前に作られたものだから相当時代に合わなくなったからということのようです。
ただ、国民に分かりやすく、という面では、シンプルだった現行民法に比べるとこれまでの判例法理を明文化し、多くが追記されていますし、これまで異なる判例も出ている分野もあり、見方によっては非常に難解になったイメージもあります。
社会情勢の変化とは、低金利時代への突入、外資による不動産の取得、経済のスピード化などが大きく影響し、そこに対応しようとしています。
では、この改正が我々「商業用不動産」「ショッピングセンター」「事業系賃貸物件」を扱うものにとってどんなインパクトがあるのでしょうか。
ここは、法律家としてではなく、ショッピングセンターを実務として扱っている私のフィルターを通して一つづつ解説していきたいと思います。
とは言え、施行も判例も未だなので、今後、解釈も異なる部分も出てくると思います。
その前提で読んでいただければ幸いです。
まず、今回は、建物賃貸借契約に影響がある項目を指摘します。
商業用建物賃貸借契約にインパクトがある項目は、下記の6点と考えられます。
1.個人の連帯保証契約(極度額)
2.賃借人の修繕権
3.敷金の定義と返還時期のルール化
4.賃貸物件の所有権移転と賃貸人の地位の留保
5.賃借物件の一部滅失による賃料減額(当然減額)
6.賃借人の原状回復義務と通常損耗
この6つのうち、既に実務上契約書に反映されているもの、反映されているけど契約書の書き換えが必要なもの、そもそも考えたを変えなければいけないもの、今後、どんなジャッジメントが下されるのか分からないもの、など多種多様な条項が加わります。
いろいろ学習していく過程では、契約書に事細かに記載しなければならないことが多く発生しそうな印象です。
そんなことも考えながら次回から一つずつ解説していきます。