SCアンドパートナーズ

Vol.147 改正民法が及ぼす影響①(ポイント)

2020年4月1日から施行される改正民法の考え方は、
 1.国民に分かりやすくすること
 2.社会経済の変化に対応すること
のコンセプトで作られました。

120年前に作られたものだから相当時代に合わなくなったからということのようです。
ただ、国民に分かりやすく、という面では、シンプルだった現行民法に比べるとこれまでの判例法理を明文化し、多くが追記されていますし、これまで異なる判例も出ている分野もあり、見方によっては非常に難解になったイメージもあります。

社会情勢の変化とは、低金利時代への突入、外資による不動産の取得、経済のスピード化などが大きく影響し、そこに対応しようとしています。

では、この改正が我々「商業用不動産」「ショッピングセンター」「事業系賃貸物件」を扱うものにとってどんなインパクトがあるのでしょうか。

ここは、法律家としてではなく、ショッピングセンターを実務として扱っている私のフィルターを通して一つづつ解説していきたいと思います。
とは言え、施行も判例も未だなので、今後、解釈も異なる部分も出てくると思います。
その前提で読んでいただければ幸いです。

まず、今回は、建物賃貸借契約に影響がある項目を指摘します。

商業用建物賃貸借契約にインパクトがある項目は、下記の6点と考えられます。

 1.個人の連帯保証契約(極度額)
 2.賃借人の修繕権
 3.敷金の定義と返還時期のルール化
 4.賃貸物件の所有権移転と賃貸人の地位の留保
 5.賃借物件の一部滅失による賃料減額(当然減額)
 6.賃借人の原状回復義務と通常損耗

この6つのうち、既に実務上契約書に反映されているもの、反映されているけど契約書の書き換えが必要なもの、そもそも考えたを変えなければいけないもの、今後、どんなジャッジメントが下されるのか分からないもの、など多種多様な条項が加わります。

いろいろ学習していく過程では、契約書に事細かに記載しなければならないことが多く発生しそうな印象です。
そんなことも考えながら次回から一つずつ解説していきます。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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