小田原ダイナシティ ウエストモール。
今はこういったモール空間は珍しくなくなった。
でも、このウェストモールが開業した2000年、ここまでアメリカナイズされたモール空間に驚かされた。
曲線と直線、そしてバーチカル動線。
このコントラストにしばし立ち止まざるを得ないほど。
この先見性は評価に値する。
テナントミックスやマーケティングミックスは時代やトレンドに合わせて変更できる。
でも、空間と動線は一度作ってしまうとそう簡単には変えられない。
だからショッピングセンターに重要なのは、「動線と空間環境」
とにかくこれに尽きる。
ところが「分かりにくい動線」、「お客様を無理やり歩かせようとする動線」、「単調な動線」、「面白みに欠ける動線」、「やたらスケールアウトした動線」、などなど全国にはたくさんある。
もし、ダイナシティに行ったことが無い方はぜひこの空間を見て欲しいと思う。
ダイナシティ、当初はダイドープラザとして開業し、増床拡張を続けながら今の形になった。
当初の計画は大店法下、相当の苦労だったようだ。
そして、今回の西武百貨店の撤退。
でも、そのピンチをチャンスに変えて生まれ変わった。
最大級のH&M
デイリー性を高めた大型スーパーマーケットの導入
百貨店のデパ地下然として食物販
子供たちのためのフリースペース
ここ小田原ダイナシティは、いわゆる「単館SC」と呼ばれる。
単館SCは、大企業による多店舗化が進むSC経営の中、単独で生きていく運命を背負う。
だからこその地域や顧客や文化や慣習、そういったこととじっくり向き合って成長させていく。
街づくりと人づくり。
これからのチャレンジに期待したい。