昨日(2019年4月4日)はSCアカデミー12期修了証書授与式および13期開講式。
昨年の12期41名の受講生にとっては卒業式、今年の13期47名にとっては入学式となる。
このSCアカデミーはスタートして13年目になる。
早いものだ。
私は、第1期から関わっているのでこの13年間の環境変化は相当なものだと思う。
スタートした年は30数名。
場所も大学の講義室を使って開催していたものがいつしか受講希望者が増加し、今は、主催する(一社)日本ショッピングセンター協会(水道橋)で開催される。
今年の12期生が卒業するとその数は500名あまり。
ショッピングセンター業界において大きな影響力を持ちつつある。
500名という数字は、同じ日本SC協会が認定する資格「SC経営士」とほぼ肩を並べる数。
SCアカデミーがスタートした時期、「SC経営士と何が違うの?」という質問も多く寄せられた。
SCアカデミーは、SCビジネスのエキスパートやSCマネージャーを認定するSC経営士とは異なり、「SC企業の次代の経営者の育成」を目的に創設されたもの。
SCの開発業務や運営業務に忙殺されている日々から一歩離れ、社会環境の変化やそれぞれの専門分野の講師の講義を聞いたり、フィールドワークを通して、SC事業を客観的、俯瞰的に見ることによって将来の姿を作り上げていくことを1年間通してプログラムしている。
だからテナントリーシングが出来るようになる、とか、かっこいいキャッチコピーが作れるようになる、と言った実務をテーマにした講座は少ない。
ましてや今のトレンドは?と言ったテーマは皆無だ。
そのため受講者の中には「ふわふわしてよく分からない」「こんな話聞いて何の役に立つのか」「何を習ったかの覚えていない」などと冗談を込めてのコメントも少なくない。
でも、それはこのSCアカデミーの趣旨を理解しないまま、受講したことによるミスマッチに他ならない。
このミスマッチは、プログラムを提供する側と受講者側、双方にとって不幸な結果をもたらす。
是非、受講者は40万円という受講料と1年間という時間コストをかけて学ぶことの意義をしっかり理解して臨んで欲しい。
ただ、「SCアカデミーはSC経営士とは異なる」というコンセプトだったものが、近年、「SCアカデミーの卒業生はSC経営士試験の2次試験免除」というある意味、特典めいたものが創設された。
なぜ、こういう仕組みに至ったのか、私には知る由は無いが、この特典は、SCアカデミーとSC経営士に序列を作り出してしまったのではないか、と少し寂しく思っている。
とはいえ、SCアカデミーを卒業するために2万字の卒論を執筆するため小論文提出を2次試験にしているSC経営士の2次試験免除も理解できないこともない。
昨日の開講式で統括指導教授の大甕氏のスピーチで「なるほどな」と思った言葉があった。
(大甕氏)
「SC協会で開催されるセミナーとSCアカデミーの違いは何か。SC協会のセミナーは各企業各SCの成功事例などを共有し、各人のスキルアップと人材の育成にある。それに対し、SCアカデミーはSCを真正面から考える(考えられる)人物を作ることにある。」
「人材と人物」
日本語特有の意味の違いだが、さすが大甕氏、言いえて妙。
人材育成ではなく、人物の確立。
まさしく、これがSCアカデミーのコンセプトだと創設した大甕氏ならでは表現だと感嘆した。
私はこのSCアカデミーでは教鞭を取ることは無く、「ゼミナール」の担当として関わっている。
ゼミの目的は、卒業課題である卒論を執筆するためのグループであり、ゼミ生同士のコミュニケーション、そして卒論作成のモチベーション醸成にある。
7月からゼミが始まる。
昨年の西山ゼミは5名。
皆、無事、卒論を書き上げ卒業していった。
安堵している。
今年は、どんなゼミ生が西山ゼミに入塾しているか。
今から楽しみである。