SCアンドパートナーズ

Vol.97 今、「ぴおシティ」が面白い

横浜市営地下鉄桜木町駅直結の「ぴおシティ」って知ってますか?
50年前に作られた商業ビル。
当時、この周辺には、みなとみらい地区も無く東急東横線には桜木町駅があり、このビルはとても存在感がありました。
でも、みなとみらいが発展し、東横線桜木町駅が廃止され、だんだん、その存在感も薄れていきました。
そのうち、空き店舗も目立ち、この先どうなるんだろう?と心配していたところ、最近ここの地下がたいそう盛り上がっているのです。

その盛り上がり方は朝から立ち飲み、昼のみ、たくさんの方が昼間からお酒を楽しんでいます。
一人で来ている人、少人数の人たち、グループの人たち。
見た目にはどんな職業でどんな集まりなのか皆目見当がつきません。

平日の昼下がりには、恐らく、会社をリタイヤされた方が昔の同僚と集まったグループ、日曜日のグループは、ボランティアとか、ハイキングとか、何らかの活動や趣味を同じにする方たちのグループ。そして家族連れ。
とにかく雑多、多種多様な方たちが集まりがそこかしこで宴を開催しています。

居並ぶお店は昔からある個人店。
この店たちは30年前からあるでしょう。
でも、昔はお客はまばらで本当にガランとしていた空間。
それが今は、夕方となればごった返す。

そして、とにかく安い。
ビール大瓶400円が当たり前。
お店の中にはつまみ(料理)は持ち込みOKのお店も。そこは自分でタッパにおつまみを入れて来店する。
とても安上がり。

それぞれが昔からの賃貸借契約のために恐らく賃料が低廉だからこそ出来ることなんだろうと。
そして野毛の入り口にあって駅直結で雨にも濡れず、リーズナブルに楽しめる。
そんな空間になっています。

これだけの盛り上がりにはいろいろな要因があると思いますが、その理由としては、
1.とにかく安い。リーズナブルに飲める。
2.横丁の賑わいを楽しめる。ショッピングセンターのような作られた空間ではなく自然発生的に出来た空間。
3.治安がいい。路面とは違い防犯上も優れている。
4.便利。野毛まで行かなくとも駅直結で飲める利便性
5.人生100年時代、リタイヤされた皆様の憩いの場所。
6.新しい若者文化。オシャレなカフェに飽きた若者の新しいたまり場
7.そこそこ旨い。個人店だからこだわりを持って料理を作る。
8.収入の低下。世間では好景気と言われるもののほとんどの人は支出は下降線。
など、いろいろあると思いますが、そんなことを他所に毎日盛り上げる。

これから懸念されるのは、この集客力を狙って入り込んでくるナショナルチェーン。
実際、このビルを上がって1歩出ると居酒屋チェーンが並ぶ。
そして、人が集まるところには、コンビニ、ドラッグストア、ラーメン屋など賃料負担力が高いお店が並ぶことになる。
そうすると賃料が上昇し、貸し手は高い賃料を出すテナントに貸し始まる。
そうすると旧来からのテナントは営業を継続することが出来なくなり退店。
あっという間にどこかで見た店舗の勢ぞろい。
そして集客力が落ちるとナショナルチェーンは退店。
でも、一度、上がった賃料をオーナーは維持しようとして結果、空室期間が延びる。
そうなると街が衰退していく。
このシナリオは、全国どこでも起こる現象。

このぴおシティそんなことにならないことを祈ります。
そして、このぴおシティはどんな企業が運営管理しているのか分からないけど、この盛り上げりをキャッチアップして上層階にもうまく波及効果を作って、このビルをもう一回生き返らせてほしい。

昔、東京都内で地権者が自然発生的に流行らせた女の子の洋服をうまくキャッチアップしてブームにしたビルがありましたが、ここもそれが出来るはず。

期待しています。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-