司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を30年前に読んで以来、行きたい行きたいと思っていた高知へ。
この高知には、たいそう盛り上がっている場所がある。
それは、
「ひろめ市場」と「日曜市」
まず「ひろめ市場」
場所は、高知市の真ん中、高知市帯屋町2丁目。
元は、土佐藩の家老だった深尾弘人蕃顕(ふかおひろめしげあき)の屋敷(いわゆるひろめ屋敷)だったことからこのネーミングとなったらしい。
この市場は、20年前、作られたいわば人工的な屋台街。
(シンガポールのホーカーズのよう)
店舗数は60店舗
営業時間は
平日・土曜日が、8時から23時
日曜日は、7時から23時
と相当長い。
ところがいつ行っても混雑が続く。
まず、座れない。
見るところ、観光客もいるものの、ほぼ地元の方々。
400席ある共用スペースの客席を埋め尽くす。
お店は高知の旨いものはもちろんバラエティ豊かな食材ばかり。
屋台だからどこもリーズナブル。
藁焼きの塩カツオで有名な「明神丸」も出店。
この手の屋台村では、東京の「恵比寿横丁」や鹿児島の「かごっまふるさと屋台村」が有名だけど、規模が違う。
飲食だけでなく、食物販も。
もちろん、これを買って席で食べてOK
なぜ、ここまで成功したのか。
感じたのは、まず、地歴
ここには江戸時代前から続く人々の息遣いを感じる。
いきなり作った人工的なフェイクな施設とは違う。
2つ目に高知の人の気質。
男性の「いっごうそう」と女性の「はちきん」、そして酒好き。
住んだことが無いので詳しいことは分からないけど、きっとこういった場を楽しめる気質を持っているのだろう。
3つ目に高知の海の幸、山の幸
カツオにクジラにウナギに芋に、そして酔鯨に代表される旨い酒
4つ目に、これを作った立役者。
こちらに詳しく出ています。
http://iwame-ichiro.com/hirome/open.html
まだまだ成功の要因はあると思うけど、やはり、大切なのは地歴と作った地元の人達の熱意だと思う。
これに尽きる。
今もこうしている間に盛り上がっていることだろう。
そして、もう一つ、盛り上がっているのが「日曜市」
日曜市とは、高知城下町を東西に走る「追手筋」で毎週日曜日に開かれている街路市のこと。
その歴史、なんと300年。
盛り上がってるなんて言うのはおこがましいほど歴史がある。
そんじょそこらで行われている、にわか市とは、レベルが違う。
その距離も1.4Km、歩いて見るだけで半日かかる。
お店は、野菜、果物などの農産物、干物や練り物などの海産物、パンやスイーツなどのお菓子類、刃物、骨とう品、草木、などなど何でも揃う。
そして、どこもリーズナブル
屋台を出している人もいれば、店の軒先を広げて商いしている人もいる。
で、とにかく、皆、明るくて親切。
一つ一つのお店のおじちゃん、おばちゃんと会話しているだけで一日終わってしまう。
高知の人たちの人柄に接する良い機会になった。
今回、このブログのタイトル「リアル価値のヒント」の意味が分かっていただけただろうか。
最近、ECのせいでショッピングセンターの売上が悪いと言う方も多い。
でも、それはECと同じ土俵で戦っているからではないだろうか。
利便性でECにかないっこ無い。
だからとソーシャルとか、ソリューションとか。
でも、リアル価値ってそんなカッコいいものではないと思うのです。
そんなヒントが、ここ高知の「ひろめ市場」と「日曜市」にあるような気がします。
リアル価値に悩んでいる方は是非、この高知を見てきて欲しい。
きっとヒントがあるはず。
ただ、日曜市は、日曜日の開催だから出張でもくれぐれも日曜日を行程に入れるようにしてくださいね。
そして日曜市とひろめ市場の先には天守閣がそのままの高知城に遭遇します。
幕末を駆け抜けた志士たちに想いを馳せて。