SCアンドパートナーズ

VOL.1079 「2025年3月の売上実績」

2025年3月の業態別売上高が下記の通り発表されました。

SC +2.8%

百貨店 ▲2.8%

チェーンストア +2.2%

百貨店の2か月連続のマイナス、インバウンド消費の減少が気になります。

詳細は下記の通りです。

【日本SC協会】

館の販促施策やテナント入れ替えが奏功し、前年を上回る

前年同月比伸長率 +2.8%

<全体概況>

3月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+2.8%となった。

ポイントアップや集客イベントなど館の販促施策のほか、テナント入れ替え効果があったことで前年を上回ったSCが多かった。

立地別にみると、中心地域は総合で前年同月比伸長率+4.7%、周辺地域は同+1.8%となった。

中心地域はインバウンド客のほか、館周辺でのイベントなどにより来館が増えたSCが好調だった。

周辺地域はレジャー需要にも対応する広域商圏型SCが好調だった。

業種別にみると、「ファッション」は月後半からの気温上昇により、春物商材が稼働した。

また、卒入学シーズンのためオケージョン需要も高かった。

「雑貨」は新生活需要で身の回り品が稼働したほか、ギフト需要も高かった。

「飲食」は春休みに入り若年層やファミリー層が目立ったほか、送別会などの団体利用もあり好調だった。

[立地別]

中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+4.6%となった。館の販促施策が来館増につながったSCが好調だった。

なかでも繁華街にあるインバウンド客の来館が多かったSCがとくに好調だった。

中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+4.9%となった。

駅ビルや高架下など、駅周辺のSCがとくに好調だった。館周辺でのイベント開催により来館が増えたSCもみられた。

周辺地域は総合で前年同月比伸長率+1.8%となった。

レジャー需要にも対応する広域商圏型SCのほか、ポイントアップや集客イベントなど館の販促施策が奏功したSCが好調だった。

【百貨店協会】

1.売上高総額 4,953億円余

2.前年同月比(増減率)

(1)全 国 -2.8%(店舗数調整後/2か月連続マイナス)

①10都市(10 地区) -3.0%(2か月連続マイナス)

②10都市以外(7 地区) -2.1%(店舗数調整後/6か月連続マイナス)

(2)国 内 -2.0%(店舗数調整後/2か月連続マイナス)

(3)インバウンド(免税売上)-10.7%(店舗数調整後/36か月ぶりマイナス)

【特 徴】

3 月は、売上高(2.8%減)、入店客数(2.6%減)共に前年を下回った。

全国的に寒暖差の大きい不安定な天候要因から春物商材の動きが鈍かった他、免税売上高の低調も影響した。

一方、主力の衣料品では下旬以降の気温上昇に伴って春物が動き始めると共に、卒入学等のオケージョン需要も堅調に推移した。

インバウンド(免税売上):花見シーズンを迎え、購買客数は 51.5 万人(13.4%増)と 3 月として過去最高を記録したが、円高傾向や世界的な景気後退懸念が、高額商材の買い控えなど訪日客の購買心理にも影響した結果、売上高 442 億円(10.7%減/シェア 8.9%)と 36か月ぶりにマイナス転換。

化粧品は好調に推移。

国内市場:天候要因等から、入店客数減により 2 か月連続でマイナスだが、減少率は先月より 1.5 ポイント回復。

都市(10 都市): 札幌、名古屋、神戸を除く 7 地区でマイナス。

地方(10 都市以外の 7 地区): 東北、近畿を除く 5 地区でマイナス。

10 都市と地方の伸び率差は 49 か月ぶりに地方が都市を逆転。

商品別:主要 5 品目のうち、家庭用品を除く 4 品目で前年割れ。

衣料品と身のまわり品は、ラグジュアリーブランドの一部価格改訂や春物の低調から 2 か月連続マイナス。

食料品は価格高騰の影響で苦戦が続くが、物産展等の食品催事は盛況だった他、菓子ではホワイトデーや年度末の挨拶需要も見受けられた。

雑貨は化粧品が国内外共に好調推移。

美術・宝飾・貴金属(0.9%減)は僅かに前年割れだが、コロナ禍前の 2019 年比では二桁増(52.4%増)。

下旬からの花見商戦では、弁当や惣菜、さくらモチーフの菓子等、各社工夫を凝らした企画を幅広く展開し堅調に推移。

【チェーンストア協会】

※会員企業数 47社 / 店舗数 9,479店
※総販売額 1兆1,116億円   (店舗調整前) 91.0% (店舗調整後) 102.2%
<部門別の概況>
・食料品 7,790億円   (店舗調整前) 91.7% (店舗調整後) 104.1%
・衣料品 520億円   (店舗調整前) 77.0% (店舗調整後) 103.7%
・住関品 2,040億円   (店舗調整前) 92.9% (店舗調整後) 100.8%
・サービス 25億円   (店舗調整前) 88.7% (店舗調整後) 88.6%
・その他 740億円   (店舗調整前) 90.5% (店舗調整後) 90.3%

令和7年3月度は、食料品は節約志向から買上点数の減少傾向は続いているが、農産品の相場高、店頭価格上昇の影響などもあり販売額は伸びた。

衣料品は気温の上昇とともに春物商品などが動き始め、住関品はまずまずの動きだったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-