SCアンドパートナーズ

Vol.84 箱根駅伝とバーナード

新年、明けましておめでとうございます。
今年は消費税アップの年、これまで消費税のアップは景気減退を伴ってきたので今回も心配ですね。

さて、今朝のメルマガにも書きましたが、お正月の大学対抗駅伝を見るといつも「チェスター・バーナードの組織の成立要件」を思い出します。

駅伝とバーナード
何が関係するのか。

駅伝に参加するチームが強くなるためには、このバーナードの組織の成立要件がとても参考になると思っています。

彼は、「組織とは、意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」であり、協働のシステムは公式組織が中核となって物的要因・人的要因・社会的要因が結合したシステムである」と指摘しています。

そして、その組織成立の条件には、次の3要素の均衡が前提となると。

その3つとは、

1. 共通目的(組織目的)
2. 協働意志(貢献意欲)
3. コミュニケーション

私は、大会を見ながら毎年、勝ち上がってくるチームは、この3つが完成されているのではないかと思うのです。

駅伝の共通目的とは、もちろんチームが優勝すること。
優勝するという目的のためにひたすら辛く苦しい練習を積み重ねます。
でも、この目標が皆で共有されているからこそ、毎日、苦しくとも前進し、トレーニングを繰り返します。

でも、駅伝はすべての選手の総体としてしか結果を生まれません。
したがって、個々人が頑張らなければ優勝には近づかないのです。
だからこそ、自分はチームのために頑張る。
これこそが貢献意欲につながります。

しかし、長い練習の間には、当然、葛藤や挫折は付き物。
でも、それを皆で補い、カバーし合いながら進んでいきます。
そのために共同生活など寝食を共にして4年間みっちりコミュニケーションを築いていきます。

監督を中心にこの絆を強めていくのです。

これが最大のパフォーマンスを発揮する。

バーナードの組織の成立条件とつながりませんか。

会社の組織運営でも同じですよね。

共通する目標を社員の皆が共有し、納得し、それに向かって突き進む。
そして、それぞれが組織の一員として、チームに貢献する。
失敗や高いハードルを前に挫折もある

それをチームメンバーがフォローする。
そして上司がカバーする。

これがコミュニケーションの蓄積ですね。

でも、
・目的が共有化されていない。
・目標に納得していない。
・個人の成果を優先する。
・個人の成果を求めるために情報を組織に共有しない。
・飲み会などのコミュニケーションを拒む。
・反目し合う。

こんなことの繰り返しでは、皆のパフォーマンスどころではありませんよね。

社員の不平不満が多い会社ほど、この傾向が見られます。

箱根駅伝には、各大学から混合で参加する連合チームがありますが、彼らには順位が付かないのだそうです。
なぜ、精鋭が集まるのに成果が出ないのか。

もちろん、急ごしらえのチームですからなかなか難しいですが、原因は、この3つの成立条件が不足しているのではないかと思うのです。
もし、チームに順位が付けば、「優勝」という共通目的が出来て、もっと活躍できるかもしれません。

こんなことを箱根駅伝を見ているといつも思うのです。

私も会社勤めをしている時は一応管理職のポストにいましたが、この3つの要件をきちんとマネジメント出来ていたのか。

そんな思いを駅伝を見ながら感じています。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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