SCアンドパートナーズ

VOL.1104 「日本のデジタル化を妨げる理由」

日本は優しい国

弱者保護の精神

だから「1人も取り残さない」と言う

これには全く異論は無い。

でも、方法論として、もっと上手い方法はないのだろうか、といつも思う。

仕事柄、商業施設の運営をしている方と話をする機会が多い。

「そろそろショッピングセンターもキャッシュレスにする時期では無いですか?」

この問いには、

「カードを持っていないおばあちゃん はどうするんだ!」となる。

これは間違いない。

でも、使えない人のサポートと時代の変化がごっちゃになっていないだろうか

使えない方には何らかのセーフティネットを用意して対応すれば良く、そのために全ての進歩を止めることは無い。

実は、これが、日本のデジタル化を妨げる原因の一つ

弱い人、分からない人、着いてこない、着いてこれない人に全てを合わせる

「1人も取り残さない」ために

でも、一度、進歩を受け入れてみて、そこから漏れた方をサポートする発想が必要では。

先日、ストックホルムのアーランド空港に行った。

現金は使えなかった。

時折、「俺は現金主義だ、カードは持たない」と言う人がいる。

そうしたら旅行をしなければいい。

それがその方の選択なのだから。

昔、ショッピングセンターの運営管理の仕事をしている時、FAX通信と言う情報発信ツールがあった。

ショッピングセンターからFAX会員に向けて、イベント情報やクーポンを送る

当時、FAXからメールに切り替わる時だったこともあり、FAX通信をやめてメルマガにしてはどうか、と提案したところ、社内からは「メールを使えない人はどうする?」と猛反対

でも、ほどなくFAX文化は終わり、メルマガに。

そして、今はSNS

決して弱者をないがしろにしていいとは思わない

だからと言って、社会全体を止めた結果が今の日本

先進国では、バリアフリーは進み、地下鉄は無人走行、キャッシュレスは当たり前

アナログな文化も悪くないが、ゆでガエルになる前に変わりたい日本

写真はストックホルムのアーランド空港

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-