2018年秋のリニューアルもひと段落。
今年も「コト消費」を訴求するリニューアルが目立った。
近年の「モノが売れない」とささやかれる中の取り組みであるが、やはり、この「モノからコトへ」のキーワードには違和感を覚える。
本当にモノが売れなくなったのか。
売れているものはあるのではないか、と。
そもそも、モノは必ずコトに紐付いている。
お正月におせちを作る。
節句にお人形や鯉のぼりを飾る。
入学にランドセルを買う。
夏のキャンプにアウトドア用品を揃える。
旅行に行くから水着を買う。
花火を見に行くから浴衣を着る。
誕生日にプレゼントを贈る。
ゴルフに行くからクラブを買う。
資格試験を受けるから問題集を買う。
などなど。
すべてはコトがあってモノが動く。
それを、店頭で、「トレンド」「今年の色」「店長のおすすめ」「新着」などと消費を煽動し、単価と数量を効率よく形成することに対して消費者が着いて来なくなった結果が今ではないだろうか、と。
だから「何が売れるか」とテナントミックスを考えているSCは、これからも売上が上がることは無いだろう。
「モノ」は「コト」があって、初めて動くもの。だから。