SCアンドパートナーズ

Vol.68 LCXに注目している理由

これからのショッピングセンターは、売上の上がらない店舗が増える。

「売上の上がらない」という意味は、次の2つ。

1つ目は、これまでのように坪効率を求めるような運営は限界が来る。

それはアパレルが昔のように売れなくなり、その代わりにサービス店舗やショールーミング化が進み自ずと店舗での売上は減少する。

この流れには抗いように無い。

もう一つは、そもそも売上が無い店舗がショッピングセンターには増える。

例えば、保険相談、医療モール、行政施設など、市民の生活を支える機能を増やすことは、もうすでに始まっている。

売上が上がらなければ歩合賃料は望めない。

では、賃料が望めなくなった場合、ショッピングセンターの収益はどこでカバーするのか。

その一つの解が、この「LCX」にあるのでは?とかねがね思っていた。

LCXは、香港尖沙咀ののハーバーシティ内にあるポップアップ店舗の並ぶエリア。

場所はオーシャンターミナルの3階。

以前は、距離が長く、奥まった場所で、人の流れが今一つだったエリア。

これをポップアップ店舗の集積として生まれ変わらせた。

とにかく、若者をターゲットにポップアップ店舗が並ぶ。

コスメ、雑貨、アクセサリーなどなど。

歩いていて楽しい。

そして、ここの作りがユニークなのは、ポップアップ店舗の両側には、パーマネントの店舗が並ぶ。


 

通路の中央にポップアップ店舗が連続し、その両側を固定店舗が挟む。

そのコントラストがまた楽しい。

これまで催事契約や一時使用契約として、継続的契約が決まらない区画の暫定的処置として催事テナントやイベント催事を行ってきた。

しかし、これから売上が見込めない中で、ショッピングセンターは収益源を賃料だけに頼っていては、今の地価の上昇と建設費の高騰をカバーするのは難しい。

ショッピングセンターの経営資源は、不動産と顧客である。

この経営資源からどうやってリターンを生み出すか。

ここにこれからのSC経営のキーがあるように感じている。

ハーバーシティの管理者は、販促などは行わない。
(販促や営業指導を行っているのは日本独特の文化)

その代わり、こういった集客手段と不動産収入に直結する取り組みに熱心だ。

これからの日本のSCデベロッパーも、接客や営業指導やロープレに拘泥されることなく、収益源を見つけていくことを今すぐ実施しなければならない時期に来ているのではないだろうか。

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-