SCアンドパートナーズ

VOL.1057 「2024年5月、業態別売上高の推移」

2024年5月の3業態(ショッピングセンター、百貨店、チェーンストア)の売上高の状況です。

SC +3.9%

百貨店 +14.4%

チェーンストア +0.1%

3業態ともプラスに。

安定のチェーンストアですね。

これを直近1年間で見ると百貨店の勢いが強い。

ただ、都市部と地方部では差が出ているようです。

SCの対2019年比(コロナ禍前との比較)

順調に戻しています。

各業界団体からの発表は以下の通りです。

【日本SC協会】

・5月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+3.9%となった。

・前年に比べて休日が1日少なかったものの、気温上昇による夏物商材の稼働、大都市を中心にインバウンド客の来館者増加により前年を上回った。

・立地別にみると、中心地域は総合で+7.8%、周辺地域は+2.0%となった。

・なかでも中心地域・大都市がインバウンド客などの来館により好調だった。

・業種別にみると、「ファッション」は気温上昇により半袖やサンダルなどの夏物商材が稼働した。

・「雑貨・化粧品」は、紫外線対策アイテムやレイングッズのほか、母の日のギフト商材が好調だった。

・「飲食」は国内外旅行客や近隣イベント参加客の来館が好調で売上げを牽引した。

・「サービス」は前年に比べて話題作が少なかったシネマが売上大幅減となり、来館者数に影響したSCもみられた。

【百貨店協会】

1.売上高総額 4,692億円余

2.前年同月比(増減率)

▪全国 14.4%(店舗数調整後/27か月連続プラス)

①10都市(10 地区) 19.4%(32か月連続プラス)

②10都市以外(7 地区) -1.1%(店舗数調整後/2か月連続マイナス)

▪国 内 2.3%(店舗数調整後/2か月ぶりプラス)

▪インバウンド 231.2%(店舗数調整後/26か月連続プラス)

・5 月は、売上高(14.4%増)、入店客数(2.0%増)共に 27 か月連続のプラス。

・コロナ前の2019 年比でも売上高 8.9%増と好調を維持。

・インバウンドと、ラグジュアリーブランドや高級時計、美術・宝飾等高付加価値商材が活況。

・外出機会の増加や気温上昇に伴い、夏物商材が伸長し主力の衣料品も好調に推移。

・サングラスや扇子など季節雑貨も動く。

・各社が企画した GW でのファミリーイベントや食品催事などが盛況。

・外商催事、母の日商戦等の積極展開も奏功。

・インバウンド:円安などを追い風に 718 億円余(231.2%増/26 か月連続/シェア 15.3%)と3 か月連続で過去最高を更新し売上全体を底上げ。

・2019 年比では 132.4%増と、前月より58.0 ポイントアップ。

・労働節休暇(5/1~5/5)で中国の購買客数と売上が大幅に伸長。

・国内市場:2.3%増(シェア 84.7%)と好調で 2 か月ぶりにプラス転換。

・2019 年比はほぼ同水準で推移。

・都市(10 都市):増勢が続くインバウンドと高額品などから 9 地区で前年実績をクリア。

・対前年伸び率は前月よりも 7.0 ポイントアップ。

・31.5%増と高伸した大阪をはじめ 7 地区で二桁増。

・地方(10 都市以外の 7 地区):インバウンドが徐々に拡がりつつあるものの、一部店舗ではテナントへの業態転換などで売上から賃料に変更したこともあり、6 地区で前年実績に届かず。

・その結果、都市との差は前月より 6.0 ポイント拡大。

・商品別:主要 5 品目のうち4品目で前年実績超え。

・高伸する身のまわり品や美術・宝飾・貴金属など高付加価値商材では一部商品で価格改定前の駆け込みも見られた。

・食料品は菓子がインバウンドやギフト需要で健闘したが、価格上昇の影響などを受け生鮮食品と惣菜が苦戦し、2 か月連続のマイナス

【チェーンストア協会】

※会員企業数 47社 / 店舗数 9,183店
※総販売額 1兆323億円   (店舗調整前) 92.3% (店舗調整後) 100.1%
<部門別の概況>
・食料品 7,178億円   (店舗調整前) 91.6% (店舗調整後) 102.2%
・衣料品 561億円   (店舗調整前) 85.7% (店舗調整後) 91.0%
・住関品 2,091億円   (店舗調整前) 99.6% (店舗調整後) 100.9%
・サービス 19億円   (店舗調整前) 99.2% (店舗調整後) 102.7%
・その他 472億円   (店舗調整前) 82.8% (店舗調整後) 83.1%

・令和6年5月度は、食料品は節約志向から買上点数減少が続いている中、農産品の相場高騰や店頭価格上昇によりまずまずの動きだった。

・衣料品は天候不順の影響もあり動きが鈍く、住関品の動きも鈍かったが、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

以上

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-