昨日、日本におけるフードホールの成功条件をアップした。
その前に説明したおかなければならないことがあった。
それは、「フードホールとフードコートの違い」だ。
両方とも飲食店が並び、共用の座席があり、キャッシュオンデリバリー。
ただ、フードホールでは、支払いや注文は個店対応で座席もそれぞれの個店に併設されているところもあるし、デリや食材を扱う施設もある。
単価はフードコートがファストフード中心だから比較的低めだけどフードホールはこだわりのメニューも多くアルコールの提供も行われるので客単価は総じて高い。
もともとNYでは賃料が高いマンハッタンあたりで新進の飲食店がなかなか出店できないところをフードホール形式で小さい規模での出店を可能にしたと聞くからこだわりのメニューや内装デザインもオシャレなものが多いのも頷ける。
では、このフードホールとフードコートの決定的な違いは何か?
それは「営業時間」だ。
フードコートは短く、フードホールは長い。
何故か?
フードコートは、何らかの主たる目的に対して従たる機能である。
ショッピングセンターでは買い物に訪れたお客様への飲食機能や休憩機能の提供。
ビックサイトのような展示場に併設されるフードコートは展示会に訪れた来訪者のための飲食サービス。
したがって、フードコートの営業時間は、展示場や物販施設やイベント施設の営業時間に依存する。
主たる目的施設が閉まれば自ずと閉店する。(閉店せざるを得ない)
しかし、フードホールは違う。
それそのものが目的になるから営業時間は、買い物などの他の目的に影響されない。
朝早くから夜遅くまで営業することが可能だし、逆に営業出来なければ投資が回収できない。
フードホールそのものが目的にならなければいけないのだ。
国内で出来たフードホールで今一つなところはこれを理解しないまま、商業施設の集客を当てにしたようなものが多い。
鉄道駅のターミナルのような場所では、それを目的にしなくとも一日何十万人も前面通行量があれば、何とかなるが、そうでなければフードホールそのものが目的にならなければ続くことは難しい。
したがって夜が弱い郊外では難しいだろう。
もし、これからフードホールを開発しようとしている方がいれば、必ず、それ単独で集客する目的性の高いものにすることが絶対条件だ。
フードコートに比べたら圧倒的に投資額の大きいフードホール。
資金回収には相当のハードルも高い。
単独で集客できるか?
そこがポイントである。
もし、単独で集客できない場所であればフードコートにした方がいい。
とにかく、「流行ってるから作る」、のだけは避けたい。
※成功条件は昨日のアップを見てください。
フードコートでも十分素敵なところはたくさんあります。