2023年9月の3業態(ショッピングセンター、百貨店、チェーンストア)の売上が出揃いました。
(結果)
SC +7.5%
百貨店 +9.2%
チェーンストア +2.8%
全業態ともプラスに。
でも、関係者に聞くとやや弱含み。
そんな感覚がこの2~3か月、数字にも表れています。
一部の好調な施設以外はそれほど好調!という感覚は無いようです。
これをコロナ禍からの2020年から追いかけると下記のグラフに。
このグラフを直近1年間にしたものが下記です。
SCの失速が気になりますね。
2019年比で見るとSCは失速気味。
ただ、洋服などの物販のシェアが下がりつつある現在、売上高はKPIの一つ。
そこは注意してみないといけないようです。
下記は各団体からの発表内容です。
【SC協会】
■既存SC前年同月比売上高伸長率 :+7.5% (参考・2019年同月比 :▲12.6%)
「特徴」
・記録的な残暑により秋物衣料が苦戦するも、飲食業種が売上げを牽引し前年を上回る
・9月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+7.5%となった。
・記録的な残暑により秋物衣料の動きが鈍かったSCが多かったが、国内旅行客やインバウンド客の来館、館周辺でのイベント開催により飲食業種が売上げを牽引し、前年超えとなった。
・また、前年同月に台風のため臨時休業や営業時間短縮を行ったSCは反動増となった。
・2019年9月は10月からの消費税増税前の駆け込み需要もあったため、2019年比は総合で▲12.6%となった。
・立地別にみると、中心地域は総合で+12.8%、周辺地域は+5.1%となった。国内外の旅行客などの来館により、とくに中心地域の大都市が好調だった。
・業種別にみると、「ファッション」は残暑により盛夏商材のセール消化が進んだものの、秋物商材は苦戦した。
・「雑貨」はキャラクター商材や行楽需要による旅行用品が好調だった。
・「飲食」は猛暑のため冷たい商品や夏メニューが高稼働したことに加え、ディナータイムが盛況だったとの声が聞かれた。
・「サービス」はアミューズメントや美容、リラクゼーションが好調だった。
【百貨店協会】
1.売上高総額 4,151億円余
2.前年同月比(増減率)+9.2%(店舗数調整後/19か月連続プラス)
3.調査対象百貨店 72社 180店 (2023年8月対比2社増1店減)
4.総店舗面積 4,676,490㎡ (前年同月比:-4.1%)
5.総従業員数 51,242人 (前年同月比:-6.7%)
6.3か月移動平均値 2-4 月 12.4%、3-5 月 8.3%、4-6 月 7.3%、(店舗数調整後) 5-7 月 7.4%、6-8 月 9.0%、7-9 月 9.8%
「特徴」
・9月の売上高は9.2%増、入店客数10.0%増と、共に19か月連続のプラスとなった。
・残暑が厳しい中でも、外出機会の増加などから身のまわり品や衣料品、高付加価値商材が牽引した。加えてインバウンドが売上を底上げした他、外商催事や会員向施策、物産展などのイベント効果も見られた。
・コロナ前との比較では、2019年比は消費増税前の駆け込み需要の反動から16.7%減であったものの、2018年比では2.1%増と、業績回復が進んでいる。
・顧客別では、インバウンドが円安効果などから、前月より11.2ポイントアップの255.6%増(18か月連続/シェア7.9%)、売上高326億円とコロナ禍の2020年2月以降、最高額を更新し、調査開始(2014年10月)以来、過去3番目に高い数値となった。
・コロナ前の2019年比でも29.3%増と高伸した。
・国内市場は3.1%増(19か月連続/シェア92.1%)だが、2019年比では消費増税前の駆け込み需要の反動で19.1%減であった。
・地区別では、インバウンドと高額品が好調な都市(10都市/24か月連続)が8地区で前年実績をクリアし、12.0%増と二桁伸びを示した。
・この内、大阪地区は、前年の台風による時短営業等の反動に加え、プロ野球の優勝セールも活況で、27.1%増と大幅に伸長した。地方(10都市以外の7地区)も4地区でプラスし、0.2%増と3か月連続で前年実績を確保した。
・商品別では、主要5品目のうち4品目で前年実績を超え、身のまわり品と雑貨は2018年比もクリアした。
・ラグジュアリーブランドを中心に増勢が続く高額品は、一部アイテムで価格改定前の駆け込みも見られた。
・化粧品はスキンケアやメイクアイテムなどが動き、国内外共に好調を維持した。
・衣料品は羽織物やブラウス、カットソーなど秋物軽衣料に動きが見られた。
・食料品はマイナスに転じたが、彼岸など歳時記やインバウンド需要で菓子が引き続き好調だった。
【チェーンストア協会】
※総販売額,1兆708億円,(店舗調整前),102.70%,(店舗調整後),102.80%
<部門別の概況>
・食料品,”7,774億円”,(店舗調整前),104.70%,(店舗調整後),104.80%
・衣料品,460億円,(店舗調整前),96.60%,(店舗調整後),96.50%
・住関品,”1,874億円”,(店舗調整前),102.00%,(店舗調整後),102.30%
・サービス,22億円,(店舗調整前),106.90%,(店舗調整後),106.80%
・その他,577億円,(店舗調整前),86.40%,(店舗調整後),85.60%
「特徴」
・令和5年9月度は、依然として食料品は節約志向の高まりから買い控えが続いているが、店頭価格の上昇もあり売上は伸びた。
・衣料品は高気温の影響もあり季節商品の動きが鈍かったものの、住関品はまずまずの動きだったこともあり、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。
以上