今朝、ニトリの自社内サプライチェーンの構築の記事を読みながら外注化による効率化の是非について考えていました。
かなり以前ですが、これまで商社などを通じて多くのことを外注化してきたものを内製化するという、やはりニトリの記事を見たことを思い出し、その時、「そうだよな」と思ったことを覚えています。
そこでは、外注化してきたことで逆にコストが上がってしまったと書いてあったように記憶しています。
業務遂行上、効率化を考えると外注化を考えることが多い。
でも、外注化すると、そのノウハウは自社内には蓄積できず、いずれ外注費の適正度合いすら判断出来なくなるリスクがある。
外注化を始めた当初は、その業務に精通した社員がいて、適正な外注先や外注費を精査できたものが、いつしか世代が変わり、外注化していることが当然となり、その先がブラックスボックス化してしまう事例を多く見てきたからかもしれません。
一時、アウトソーシングという言葉が流行し、外部化することが経営の高度化につながるという風潮がありました。
確かに、コアとなる業務以外は、ノウハウを蓄積する必要も無いので、外部化することも一つの選択肢です。
でも、その大きなデメリットは、その部分のノウハウや知見が失われていくこと。
ショッピングセンター事業の典型例が「テナントリーシング業務」です。
内部化か、外部化か。
この選択は、このノウハウや人的ネットワークを蓄積する必要が無いと考えれば外部化するし、この業務はショッピングセンターのビジネスに根幹となるノウハウだと考えれば内製化する。
業務量が多くて外部の力を借りる時はあるでしょう。
でも、その場合は、あくまで内製化のサポート。
・外注化は効率を上げるのか。
・外注化が総コストを下げるのか。
・外注化によってスピードが上がるのか。
・その業務に関するノウハウや人的ネットワークを蓄積する必要が無いのか。
将来に渡るビジョンを下に考えて行くことですね。
もし、聞かれたら私は「テナントリーシング業務はコアな経営資源になると思います」と答えます。
テナントとのネットワークはショッピングセンターにとって重要な要因だと思っているからです。
でも、これも企業の規模や、SCの立地や、今後の計画の多い少ないで変わることです。
その前提で、外注化が経営効率を上げることには必ずしもつながらないことをニトリは感じたのだと思います。
外部化と内部化、経営にとって大きな選択です。