2023年7月の売上高(SC、百貨店、チェーンストア)の各団体からの発表は、
SC 前年同月比 +12.7%
百貨店 前年同月比 +8.6%
チェーンストア 前年同月比 +4.9%
と、すべて前年超え。
これをグラフに重ねました。
消費増税の反動以降はコロナ禍の状況に比例する動きですが、どの業態もプラスを維持しています。
これを単純に前年(2023÷2022)にしたものが下記のグラフです。
一時、高額消費に支えられた百貨店を最近はSCが上回るという構図です。
一方、最寄り性の高いチェーンストアはコロナ禍から好調を維持し続けています。
事業者の創意工夫と消費者の購買動向がよく分かりますね。
ちなみにSCにおける2019年比(コロナ前)との比較はこのようになります。
前述のグラフを裏付けるように上り調子。
2019年を超えています。
※この計算は、SC協会が発表している数値を単純に並べて行ったものなので、同協会が種々の調整を行って発表するものとは異なるのでご注意ください。
なお、各団体の発表は以下の通りです。
【日本SC協会】
・前年同月比伸長率 +12.7%
・夏まつりなどの地域イベントによる外出機運の高まり、猛暑による盛夏商材の高稼働などにより、2桁伸長
・7月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+12.7%となった。
・地域イベントによる外出機運の高まりやインバウンド客増加などの影響により来館数が増えた。
・また猛暑による盛夏商材の高稼働もあり、前年比2桁伸長となった。
・2019年と比較すると総合で+0.3%となり、コロナ禍前を上回った。
・立地別にみると、中心地域は総合で+17.4%、周辺地域は+10.7%と、ともに2桁伸長となった。
・夏休みによる外出機運の高まりに加え、国内外の旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。
・業種別にみると、「ファッション」はサマーセールの開催や連日の猛暑により、盛夏商材が高稼働した。
・「雑貨」は外出機運の高まりにより旅行用品が好調だった。
・また、冷感グッズなどの暑さ対策商品や日傘、サングラスなどの紫外線対策商品も高稼働した。
・「飲食」は旅行客やイベント帰りの来館者が多く、立地や地域問わず好調だった。
【百貨店協会】
・前年同月比(増減率)8.6%(店舗数調整後/17か月連続プラス)
・7月の売上高は8.6%増と17か月連続のプラスとなった。
・コロナ前の2019年比では1.5%減と前月より3.6ポイント改善しており、回復基調が鮮明になってきた。
・猛暑が続いた天候与件や旅行需要などにより盛夏商材が牽引した他、ラグジュアリーブランド・宝飾品などの高付加価値商材も好調に推移した。
円安効果と入国制限終了などから増勢が続くインバウンドは、2019年実績も超えて売上全体を底上げした。
各社が企画したファミリーイベントやアニメ展、食品催事や外国展等各種企画も奏功し、入店客数は9.7%増(17か月連続)となった。
顧客別では、インバウンドが206.6%増(16か月連続/シェア6.6%)、売上高313億円と、コロナ禍の2020年2月以降、最高額を更新した。
・2019年比でも二桁増の11.4%増と、コロナ前の実績を大きく超えた。国内市場は3.9%増(17か月連続/シェア93.4%)、2019年比では2.3%減だが、減少幅は前月より3.0ポイント改善した。
・地区別では、都市(10都市/22か月連続)が、インバウンド効果と、高額商材の高伸などから、全地区で前年実績をクリアし、11.0%増と前月に続き二桁伸びを示した。
5地区で前年実績を超えた地方(10都市以外の7地区)も1.6%増と、3か月ぶりにプラスに転じた。
・商品別では、主要5品目全てで前年実績を超えた。
・外出機会増加や天候与件などから、衣料品(10.7%増)と身のまわり品(16.0%増)、化粧品(15.1%増)は、盛夏アイテムやUV関連が好調で高い伸びを示した。
・主力の衣料品ではクリアランスのセール品以上に実需品へのニーズが高く、定価販売のプロパー商材も健闘した。
・身のまわり品では、バッグやアクセサリー、旅行用品、日傘などがよく動いた。
・国内外ともに好調だった化粧品は、UVケアやメイクアイテムが伸長し、食料品は、手土産やギフト、インバウンド需要などから菓子が引き続き好調だった。
・中元商戦は自家需要の高まりもあって堅調に推移した。
【チェーンストア協会】
・前年同月比 +4.9%(店舗調整後)
・令和5年7月度は、食料品は節約志向の高まりから買い控えが続いているが、店頭価格の上昇により水産品を除き売上は伸びた。
・衣料品は高気温の影響もあり季節商品の動きが良く、住関品の動きも良かったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。
以上