仕事柄、講演、セミナー、研修を依頼される。
実はこの差に最近ようやく気がついた。
今さらかよっ、と突っ込まれそうですが、この3つは全然違う。
講演は、不特定多数の方に一方的に話す。
伝える、と言ってもいい。
講演のテーマがある場合と、著名な方の場合はテーマは無くともその人の話を聞きに行く。
だから、多くの場合、質疑応答の時間は無い。
そして、参加者は相当の多人数になるし、年齢性別も幅広く、そのため話す内容も広く浅くなる。
これがセミナーになると必ずテーマはあるし、ターゲットも特定される。
受講者も何らかの課題を持って参加するから、質疑応答の時間が設けられ、セミナー終了後には講師との名刺交換の時間があり、そこでも質疑応答を受ける。
でも、話す内容はある程度、講師からの一方的な発信になる。
セミナーの受講者は公募方式だから不特定多数の方が参加する。
テーマは決まっているものの受講者それぞれの持つ課題は、企業、役職、業種などから多岐に渡る。
研修は、クローズなものが多いから受講者の課題を予め確認し、それに応じて行う。
課題が絞られ、解決方法が分かれば、資料もそこにフォーカスを当てたものになる。
実務に直結する内容も多く、時にはOJTの補完にも活用される。
実は、この違いを認識しないまま、講演やセミナーや研修を企画すると効果はかなり低下する。
実務に生かすはずの研修に多数の人が参加すれば、一方的な講演になってしまい参加者の腹落ちは低い。
この3つを理解しないまま講演会に参加すると具体的な話が無かった!と不満を持つ。
こんなの聞きに来るんじゃ無かったと感じる。
最近は、依頼される方のニーズを聞いてこの3つのどれかを選択して提案することにしている。
そして参加人数に応じて情報量を変え、会場に合わせてパワーポイントの字の大きさも変える。
私は研修会社のような研修用パッケージを持っているわけでは無いので、依頼者と参加者の課題を解決するためにどのようなスタイルと資料と回数が必要か。
それを念頭にプログラムを提供するようにしている。
講演とセミナーと研修
意外に大きく違うのです。