昨年からシアトルのamazon goが本格稼働を始めた。相当のスピードで店舗展開すると言う。
amazonは、既にbooksやfreshを始めている。
マスコミや業界からは、どうしても、AIとか、IOTとか、テクノロジーの話が先行する。
amazon goに至っては、「レジが無い!」て、そこばかりが喧伝される。
確かにそのテクノロジーの進化は凄まじいし、注目に値するし、これからの店舗運営に大きなインパクトを与える。
でも、重要なことがもう一つある、
それは「商品リスク」を負うビジネスを始めたことだ。
商品リスクとは、売れると思う商品を仕入れ、検品し、在庫管理をし、鮮度管理をし、棚卸しをし、顧客のクレームへの対峙が求められる。
そして販売するための実店舗の建設投資、店舗の維持修繕、そして販売員の雇用リスクまでも負うことになる。
ECは、基本的に商品リスクを負わないビジネス
(もちろん買い取りもあるが)
メーカーやリテーラーの扱う商品をネットというインフラに乗せて消費者へ届けるプラットフォーム。
だから、商品リスクは最低限に抑えられる。
しかし、amazon goは、その場でサンドイッチも作り、食品衛生まで考える、まさしく小売業である。
最近、ニューヨークで始めた4star
amazonで売れている商品だけを集めた店舗。
ここでもテクノロジーによる売れ筋商品の分析が生かされている。
そして、それが注目される。
でも、そのテクノロジーよりもっとビジネスで重要なことがある。
それは、「リスクの取り方」である。
このお店でどこまで商品リスクを負ったビジネスかは分からないが少なくとも前述した店舗運営のためのリスクは当然に負う。
これまでネット上で商品を流していたECが商品リスクを負って実店舗に乗り出している。
日本において、専門店化、定期借家化、SC化を進めて商品リスクを遠ざける百貨店やGMS各社とは全く動きが逆だ。
Appleの実店舗での売上は、年15%伸びていると言う。
リアル店舗さえも今後、ネット企業に取って変わられる日もそう遠くなさそうだ。