SCアンドパートナーズ

VOL.948  「SC白書から見る2022年SC」

日本SC協会からSC白書2023が発表されました。

このSC白書は、SCの概況を毎年5月に発表するもの。

単年度の状況と過去からの推移を見ることが出来ます。

集計するためには一定の基準が必要、ということで下記の「定義」と「取り扱い基準」が定められています。

「駐車場を備えること」「キーテナントの存在」「テナント会があること」など、近年のSCの形態を考えるとちょっと違和感がありますが、こういった定義や取り扱い基準を変えるとそれまでの統計データに大きくインパクトを及ぼすので修正は簡単ではないですね。

と言うことで、この基準に照らすと2022年に開業したSCは36カ所

コロナ禍で落ち込んだ2021年の24カ所を上回るものの、斬減傾向は変わらないようです。

上の取り扱い基準によって、SC数を計算すると、

増加要因として「開業数が36カ所」「基準を新たに満たしたもの16カ所」で52カ所の増加

減少要因として、「閉店SCが30カ所」「基準から外れたもの58カ所」で88カ所の現象

前年2021年のSC数が、3,169カ所だったので、それに52カ所を足し、88カ所を足すと日本のSC総数は「3,133カ所」に。

2018年をピークに減少傾向は変わりません。

2022年に開業したSCの平均は、17,247㎡

SCに出店するテナントの業種構成(店舗数基準)で推移を見ると下記の通り、物販6,飲食2、サービス2の言った感じです。

飲食と食物販を足すと、31.7%となり、衣料品の15%の倍。

衣食住の時代は終わり「食住衣」の時代を感じます。

売上高推移は下記の通り、コロナ禍で受けたダメージを取り返すべく頑張っていますが、絶対数が減少しているので、海外で起ったリベンジ消費などの特殊要因が無いと難しい感じです。

ECの状況は、経産省の発表を待たれるところですが、最近、遅くなっていて、昨年の発表は8月12日。

しばらく待たされそうです。

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事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-