SCアンドパートナーズ

VOL.947 「2023年4月業態別売上の推移」

2023年4月のSC、百貨店、チェーンストアの売上が出揃いました。

SC +10.4%

百貨店 +8.6%

チェーンストア +3.4%

3業態ともプラスに。

コロナ禍の発生した2020年から前年比を並べたものが上記。

昨年(2021年)からに期間を変えると下記の通りです。

デイリーニーズに対応するチェーンストアは安定的に推移し、外出の再開はレジャー感覚のSCに好影響を及ぼし、百貨店も訪日客に助けられてプラス。

全体的に良い環境のようです。

ただ、百貨店協会からの発表に「インバウンド」のワードが多いのがやはり気になるところ。

百貨店は、お土産屋?

SCも百貨店も2019年には達していないようです。

ただ、SC協会から発表されている月別売上高を単純に並べてみるとSCは2019年を捉えています。

各団体からの発表は以下の通りです。

【日本SC協会】

春休みやゴールデンウィークで外出機運が高まり、4ヵ月連続2桁伸長 前年同月比伸長率 +10.4%

<全体概況>

・4月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+10.4%となった。

 

・前月からのマスク着用緩和や全国旅行支援、春休みやゴールデンウィークがあったことで外出機運が高まり、来館者数が増え、前年超えとなった。

 

・夕方以降の来館者の戻りやオケージョン需要、新生活需要により、衣料品や 鞄や靴などのファッション雑貨が高稼働したことも大きな要因である。

 

・2019年と比較すると▲5.0%とコロナ禍前 を下回っているが、大都市の一部のSCでは2019年を上回ったとの声も聞かれた。

 

・立地別にみると、中心地域は総合で+13.8%、周辺地域は+8.8%となった。外出機運が高まったことや国内外の 旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。

 

・業種別にみると、国内外の旅行客や歓迎会の団体客を中心に飲食が好調だった。

 

・衣料品については夕方以降の来 館者の戻りやオケージョン需要により、春物・初夏物商材が高稼働した。

 

・また新生活需要により、鞄や靴などの ファッション雑貨も好調だった。

 

・シネマは新作の公開があったため、前年同月に比べて好調だったとの声が聞かれた。

 

【百貨店協会】

【特 徴】

 

・4月の売上高は8.6%増と14か月連続のプラスとなった。

 

・コロナ前との比較(2019年比) では6.3%減と、前月より0.6ポイント改善しており、着実に回復に向かっている。

 

・増勢が続くラグジュアリーブランドなどの高付加価値商材に加え、天候与件や旅行・行事 に伴う外出機会の増加、マスク着用ルール緩和などから、身のまわり品や衣料品、化粧品などが高い伸びを示した。

 

・各社が展開した外商催事や会員向施策、物産展などの各種イベントも活況で、集客と売上に寄与した。GW前半も、各社の様々な企画が奏功し盛況だった。

 

・入店客数は6.6%増(14か月連続)、2019年比では19.7%減となった。

 

・顧客別では、インバウンドが209.9%増(206億円/13か月連続/シェア5.1%)と高伸が続いており、売上全体に占めるシェアは前月より0.8ポイント上昇した。

 

・購買客数も約22万人と、 コロナ禍(2020年2月)以降、初めて20万人を超えた。

 

・国内市場も5.0%増(14か月連続/シェア 94.9%)と好調に推移している。

 

・2019年比では、インバウンドが40.0%減とコロナ前の6割まで回復、国内市場は3.4%減と、前月より1.1ポイント改善している。

 

・地区別では、都市(10都市/19か月連続/11.2%増)が、インバウンド効果などから前月に続き全地区で前年実績を超えた。

 

・地方(10都市以外の7地区/4か月連続)も6地区で前年をクリアし、全体 で1.2%増となった。

 

・商品別では、主要5品目のうち4品目で前年実績を超え、中でも衣料品と身のまわり品は 二桁の伸びを示した。

 

・外出機会の増加や気温上昇などから、フォーマルやビジネス、カジュ アルなど、幅広いアイテムで動きを見せた。

 

・アウターや軽衣料、バッグ、アクセサリー、靴、 旅行用品も引き続き好調だった。

 

・化粧品では、マスク着用緩和からメイクアイテムの需要が強く、食料品では催事の他、手土産や行楽等により菓子や惣菜が好調だった。

 

【チェーンストア協会】

※会員企業数        54社 / 店舗数 10,702店

※総販売額             1兆1,062億円

(店舗調整前)    103.5%

(店舗調整後)    103.4%

 

<部門別の概況>

 

・食料品7,616億円            (店舗調整前)    105.1%   (店舗調整後)                 104.9%

・衣料品662億円                 (店舗調整前)    100.0%   (店舗調整後)                 100.2%

・住関品2,091億円            (店舗調整前)    101.0%   (店舗調整後)                 101.2%

・サービス22億円             (店舗調整前)    95.7%     (店舗調整後)                 95.7%

・その他669億円                 (店舗調整前)    98.3%     (店舗調整後)                 97.7%

 

・令和5年4月度は、食料品は節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなる中、店頭価格の上昇もあり良かった。

 

・衣料品は入学・ビジネス関連がまずまず動き、住関品も行楽需要などもあり動きが良く、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

以上

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-