SCアンドパートナーズ

VOL.939 「2023年3月業態別売上高」

2023年3月の業態別売上動向です。

まずは、コロナ禍が始まった2020年からの推移

3業態とも対前年(2021年比)はプラス。

相変わらず安定のチェーンストアです。

下図は上図のスタートを2022年1月からに短縮

微妙にSCが百貨店を上回りました。

下図は、SCに限って2019年対比をグラフ化してもの。

2019年を上回りました。

このグラフでは2019年比102.6%となっていますが、下記のSC協会からの発表は「▲7.0%」

SC協会の発表数値は特殊要因などを取り除いた値、上図は単純にSC協会が発表している月間売上高を計上したものになります。

各団体からの発表は下記の通り。

【日本SC協会】

・既存SC前年同月比売上高伸長率 :+11.5% (参考・2019年同月比 : ▲7.0%)

・マスク着用緩和や季節イベントにより外出機運が高まり、3ヵ月連続2桁伸長

・3月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+11.5%となった。

・前年同月は3月21日まで全国的にまん延防止等重点措置が発出され外出自粛傾向が続いていたが、当年は行動制限がなかったことや引き続き実施された全国旅行支援により外出機運が高まったことで来館者数が増え、前年超えとなった。

・全国的に気温が上昇し、卒業式や入学式などのオケージョン需要も高まったことで衣料品が高稼働し、キーテナントを除くテナント売上では立地問わず2桁伸長となった。

・2019年と比較すると▲7.0%とコロナ禍前を下回っているが、国内外の旅行客に人気だった東北と北陸の中心地域では2019年を上回った。

・立地別にみると、中心地域は総合で+18.2%、周辺地域は+8.3%となった。国内外の旅行客などが増加したことで、特に中心地域の大都市が好調だった。

・業種別にみると、前年同月のまん延防止等重点措置の反動で、旅行客や歓送迎会の団体客を中心に飲食が好調だった。

・衣料品については月を通して気温が上昇したことで春物商材が高稼働した。

・また、卒業式や入学式などのセレモニー需要や新生活需要もあり、オケージョン商材も好調だった。

【百貨店協会】

1.売上高総額 4,658億円余

2.前年同月比(増減率)9.8%(店舗数調整後/13か月連続プラス)

3.調査対象百貨店 70社 181店 (2023年2月対比-1店)

4.総店舗面積 4,745,530㎡ (前年同月比:-3.5%)

5.総従業員数 52,675人 (前年同月比:-6.8%)

6.3か月移動平均値 8-10 月 18.4%、9-11 月 11.1%、10-12 月 6.2%、

(店舗数調整後) 11-1 月 7.1%、12-2 月 11.2%、1-3 月 14.6%

【特 徴】
・3月の売上高は9.8%増、入店客数10.4%増と共に13か月連続でプラスとなった。

・感染者数減少や気温上昇に伴う外出機会の増加、オケージョン・旅行・ビジネス需要などから活発に動いた衣料品や身のまわり品、増勢が続く高額商材などが寄与した。

・各社が企画した外商催事や、ホワイトデー・物産展などの食品催事の他、お花見商戦も活況だった。

・コロナ前との比較(2019年比)では、売上高6.9%減、入店客数19.8%減と、前月とほぼ同水準で、回復基調は続いている。

・顧客別では、さらなる水際緩和策等から、インバウンドが前月より9.5ポイントアップの323.8%増(199億円/12か月連続/シェア4.3%)と高伸し、2019年比でも、前月より5.8ポイントアップの39.9%減となった。

国内市場は6.3%増(13か月連続/シェア95.7%)、2019年比では4.5%減となった。

・地区別では、都市(10都市/18か月連続)が、インバウンド効果などから全地区で前年をクリアし、12.8%増と二桁の伸びを示した。

・地方(10都市以外の7地区)も6地区でプラスとなり、1.7%増と3か月連続で前年実績を超えた。

・商品別では、主要5品目全て前年実績を上回った。

・衣料品は、卒入学・新生活需要から、紳士・婦人共に好調に推移し、春物コートやスーツ、カジュアルなど幅広いアイテムで動きを見せた。

・身のまわり品は、ラグジュアリーブランドを中心に、バッグや財布、アクセサリー、靴、トラベル用品等が好調だった。

・高付加価値商材は依然増勢で、価格改定前の駆け込みもあったが、一部在庫不足が見受けられた。

化粧品は、マスク着用ルール緩和を受けて、スキンケアに加えメイクアップニーズが高まり17.4%増と二桁の伸びとなった。

・食料品は、催事効果や行楽需要の他、手土産需要もあり、菓子と惣菜は共に19か月連続増となった。

【チェーンストア協会】

※会員企業数 56社/店舗数10,943店

※総販売額1兆687億円(店舗調整前)98.8%(店舗調整後)102.1%

<部門別の概況>

・食料品              7,250億円           (店舗調整前)    99.7%    (店舗調整後)    98.8%

・衣料品              662億円             (店舗調整前)    102.9%  (店舗調整後)    107.3%

・住関品              2,070億円          (店舗調整前)    90.3%    (店舗調整後)    108.2%

・サービス           23億円              (店舗調整前)    81.4%    (店舗調整後)    103.1%

・その他              681億円             (店舗調整前)    117.4%  (店舗調整後)    117.7%

・令和4年4月度は、新型コロナウイルス感染症の感染者下げ止まり傾向が続いている中、生活者の行動範囲が広がっていることから、昨年の反動もあり食料品の動きは鈍かった

・衣料品は気温の上昇とともに動き始め、住関品も堅調に推移したこともあり、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-