SCアンドパートナーズ

Vol.795 「商業動態統計から見る2019年比」

ひとつ前のコラムVol.794で、3業態(SC、百貨店、チェーンストア)の2022年6月までの売上推移とSCの2019年比をアップしました。

今回は、商業動態統計から品目別の推移と2019年比を見ていきたいと思います。

商業動態統計は、「全国の商業を営む事業所及び企業の販売活動などの動向を明らかにすること」を目的として、毎月、経済産業省から発表されます。

ここでは、卸売業と小売業が集計されますが、このコラムでは、ショッピングセンターに関係する項目だけピックアップして集計しました。

ピックアップしたのは、①各種商品小売業、②織物・衣服・身の回り品小売業、③飲食料品小売業、④医薬品・化粧品小売業、⑤無店舗販売の5つ。

これをコロナ禍がスタートした2020年1月からの前年比を集計すると下記のようなグラフになります。


※2022年6月の数値は速報値

こうやって見るとコラムVol.794で見てきた3業態の動きとほぼ重なりますね。

この中で3業態の数値に反映されていないのは無店舗販売。

相変わらず、プラスを維持していますが、ここへ来てやや失速しているようです。

安定の飲食料品が特徴的です。

ここで気になるのが2019年比

実数から計算してみました。


これを見ると、織物・衣服・身の回り品小売業と各種商品小売業が不調ですが、このあたりは無店舗販売に移っているのか、そもそも消費額が落ちているのか、統計上では分かりませんが、小売業全体を見ると、2019年度(145,208)、2020年度(147,858)、2021年度(150,582)、と伸びているので一概に消費額が落ちていることでもなさそうです。(単位:10億円)

やはり売れる場所が変わっているのでしょう。

例年だと、そろそろ経産省から「電子商取引に関する調査」が発表される時期です。

2021年はたしてBtoC-ECの動きがどうなっているのか。

結果が待たれます。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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