大きな会社になればなるほど、大切なのは、現場への「権限移譲」だと感じます。
打ち合わせにたくさんの方が来られる企業があります。
人数が多くなると打ち合わせの間、一度も発言しない方も出てきます。
誰しも感じること、思うこと、疑問に思うことが必ずあるはず。
そして、多くの方が来られる打ち合わせの最後の言葉によく出てくるのが、
「持ち帰って検討します」
これだけたくさんの人と時間を費やして、この言葉で締めくくられるととても落胆しますが、会社組織では仕方のないことです。
ここからがポイントです。
持ち帰った後、3つのパターンに分かれます。
1つ目は、GOにしてもNGにしてもすぐさま回答がある会社です。
すぐ回答があるのは会社内での意思決定がスムーズなのか、担当部署の権限が決められるのか、そのどちらかでしょう。
2つ目は、お断りの連絡を入れてくる際の理由の多くは「上司にNOと言われました」「会議で否決されました」です。
この理由が本当なのかどうかは分かりませんが、結局、何度も重ねた打ち合わせ時間や企業から参加された皆さんの時間は「埋没費用」となってしまい、とても残念に思います。
3つ目が、持ち帰ったまま、「無しのつぶて」になる会社です。
これには驚きますが、意外に多いです。
打ち合わせを重ね、企画書や見積書を何回も書き直した結果のナシのつぶて。
この場合、どのようなプロセスが取られているのかは分かりません。
ここで誤解して欲しくないのは、必ずしも仕事が成立するとは限らないことです。
それは、提案のレベルが低かったり、相手先の課題感を理解できていなかったり、課題認識がズレていたり、予算をオーバーしたり、非の原因がこちらにある場合も多いからです。
ここでお伝えしたいのは、会社内の「権限委譲」です。
仕事や業務に関して、外部の人間と接する方にどれだけ権限が委譲されているか。
これがスピードに直結します。
今、スピードこそが経営理念になる時代です。
顧客にも取引先にもスピード感を持って対峙する。
このスピード感を作るのは、現場の一線で働く担当者がどれだけ裁量を持ちその場で判断できるか。
自らの判断した細かいことまで、会社(上司、役員、社長)の段階で否決されるようであれば、担当者たちは怖くて自らでは判断をしなくなり、「持ち帰って」微に入り細に入り上申するようになるでしょう。
大きな会社であればあるほど、意思決定プロセスや決済範囲に社内ルールがあるはず。
その範囲内では、現場で動く担当者や担当部署にどれだけ権限移譲され、意思決定のスピードを上げられるのか。
「権限移譲」
生産性を上げる大きなポイントかもしれません。
ポストコロナ、これまでのやり方を見直すタイミングですね。