SCアンドパートナーズ

Vol.628 「横浜市のIR中止に思うこと」

横浜市長選が終わり、新市長の公約通り、「横浜特定複合観光施設設置運営事業」(いわゆるIR事業)の中止が発表になりました。


出所:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/sogotyousei/IR/RFP.html

えっ、たった1行?

という印象ですが、この取り組みの結末をどのように終結させるのか、とても興味を持って見ていましたが、公表ベースではいとも簡単な処理方法に結構驚いています。

しかし、このIR事業

本当にいろいろなことがありました。

私の意見は、特に反対ということも無く、居住地が青葉区ということもあるためか同じ行政の中の話なのですが、日常生活からは何か遠いことのように感じていたこともあるかもしれません。

2019年までのインバウンドが盛り上がっている時、「素通りされる横浜」、と揶揄されていたこともあり、何らかの起爆剤も必要だろうとも思っていました。

ただ、インバウンド3千万人時代も一般大衆の旅行者が圧倒的で、「安い日本」と言われる通り、世界から見ると相対的に物価の低い国になってしまった日本でカジノのような遊興施設が海外から見てマカオやシンガポールと比較して、どれほど受け入れられるのだろうか、未知数だなという印象もありました。

でも、今回、IRは市民からNOという結果となりました。

前市長の白紙での当選から一転した賛成。

そして、いつも間にか多くのことが進められ、不安に思った市民から署名活動。

住民投票請求にまで発展。

この住民投票については政治的な側面を指摘する意見もありますが、結局は実現しませんでした。

間接民主制においては合法かつ合理的な手続きではあるものの、どうしても法的根拠が異なることがありながらも大阪都構想のように民意を問う方法が採れなかったのかと考えてしまいます。

そういう意味で横浜市のIRは、前市長の白紙立候補、住民投票の否決、この2回のタイミングを活かすことが出来れば結果は変わっていたのかもしれません。

そして、忘れてはならないのは、2020年からのコロナ禍。

このパンデミックにより外資系カジノ企業の日本からの撤退。

これも大きな要因。

今考えると前市長も最初からIRに賛成だったのかな、とも思います。

このあたりは闇の中ですね。

でも、今回、この結果で感じたのは、民意を置いていけない時代になってきたのではないか、と。

密室で行われることは結果的に指示されず、遠回りと思われがちなコンセンサス形成が必要になってきたとも思います。

今となっては「たられば」

過去をあれこれ言うことは簡単ですが、これからが横浜市の新しい成長の軸を考えていくフェーズに入ったと言うことですね。

ところで、IRは、大阪、長崎、和歌山になるのでしょうか。

でも、今後、ますますITが進み、時代がオンライン化していく。

今から10年後の2030年、MICEとかカジノとか、そういった行動を人類が取っているのでしょうか。

それとも2030年版IRが出来るのでしょうか。

このたった1行の発表ですが、今回は色々考えさせられました。


写真はマリナベイサンズ

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-