SCアンドパートナーズ

Vol.622 「2021年7月売上高概況」

各業界団体から2021年7月の売上高が発表になりました。

今回、このグラフを作っていて、「あれ、緊急事態宣言ていつから延長されたんだっけ? いつまでだっけ? 地域ごとに違うよね?」と、度重なる宣言の発出と延期と地域(都道府県)の拡大と蔓延防止とごちゃごちゃになってよく分からなくなってしまいました。

それほど長期かつ予測不能ということでしょうか。

さて7月の売上状況は、下記のグラフから分かるようにほぼ前年並み。

ただ、コロナ前の2019年と比べると、SCは▲16.3%、百貨店は▲20.3%と二桁減が続いているようです。

頼みのワクチンの効果が期待通りでは無いことや海外での再感染拡大を観ていると国民全体のモチベーションダウンや虚脱感をひしひしと感じます。

一部の専門家からは5年と言う数字も出てきているので、我々は本当に生活スタイルや収益モデルや作業形態を変えないとならないのかもしれません。

下記は各団体からの発表です。

【日本SC協会】

・7月の既存SC売上高の前年同月比伸長率は+1.1%となった。

・6月後半から感染力の強いインド型変異ウイルス「デルタ株」による感染が急増し始め、通常期に売上が期待される夏のセールに盛り上がりが見られず、緊急事態宣言対象が東京都と沖縄県に限定されたものの、総合では前年を辛うじて上回るに留まった。

2019年7月との比較では▲16.3%となり、前月より7.2ポイント改善したものの、依然としてコロナ以前の水準には回復していない。

・テナント(前年同月比+1.2%)とキーテナント(同+0.7%)の比較では、テナントが0.5ポイント伸長率で上回っているが、2019年との比較では、テナントが▲18.3%、キーテナントが▲8.4%と、アパレルや飲食を中心としたテナントの苦戦が続いている。

【百貨店協会】

【特 徴】

・7月の売上高は、4.2%増と2か月ぶりに前年実績を超えた。

・時計・宝飾品など高額品の他、イエナカ需要等による食料品が牽引したが、前々年比では17.4%減とコロナ以前の水
準には及ばない。

・入店客数は3.6%増、前々年比では30.0%減であった。

・顧客別では、国内市場4.1%増(2か月ぶり/シェア99.0%/前々年比13.0%減)、インバウンドは22.2%増(5か月連続/シェア1.0%)であったが、前々年比86.2%減と底這いで推移している。

・地区別では、大都市(10都市/5か月連続/前々年比18.5%減)が6.4%増と、前月より6.0ポイント改善した。

・7都市(仙台、東京、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡)で前年をクリアした。一方、地方は1.2%減(10都市以外の地区/前々年比14.4%減)と2か月連続のマイナスとなった。

・商品別では、主要5品目のうち、雑貨(10.6%増)、身のまわり品(7.8%増)、食料品(3.7%増)、衣料品(0.8%増)の4品目で前年実績を上回った。

・特に、高級時計等を含む美術・宝飾・貴金属は30.0%増と高い伸びを示し、前々年比でも9.1%増となった。身のまわり品では、ラグジュアリーブランドのバッグや、日傘、アクセサリーなども動いた。食料品は、内食需要の和洋惣菜、弁当、鰻、和洋菓子、酒類などに加え、手土産関連も比較的堅調だった。

・衣料品ではブラウス、カットソーなどカジュアルアイテムが動いたが、クリアランスでは生産抑制による在庫不足も見られた。

・EC売上は食料品や化粧品、中元、ランドセルなどを中心に増勢で、特に中元商戦では、高伸するオンラインが店頭の減少分をカバーした。現在、各社では、デジタル活用を中心に、コロナ禍における需要動向に対応した、新たな販売サービスを積極的に実行している。

[参考]令和2年7月の売上高増減率は-20.3%(店舗数調整後)

【チェーンストア協会】

※総販売額 1兆1,362億円   (店舗調整前) 105.1% (店舗調整後) 104.6%
<部門別の概況>
・食料品 7,665億円   (店舗調整前) 104.9% (店舗調整後) 104.0%
・衣料品 660億円   (店舗調整前) 101.3% (店舗調整後) 102.8%
・住関品 2,389億円   (店舗調整前) 107.7% (店舗調整後) 107.4%
・サービス 38億円   (店舗調整前) 144.3% (店舗調整後) 145.5%
・その他 608億円   (店舗調整前) 100.9% (店舗調整後) 101.0%

・令和3年7月度は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策に係る政府からの行動自粛要請等により内食化需要は続いており、食料品は農産品、畜産品は苦戦したが他の部門が堅調に推移し全体をカバーした。

・衣料品は一部の商品に動きが見られ、住関品もまずまずの動きだったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

以上

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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