SCの企業研修に行くと必ず受ける質問がある。
「視察の時、何を見ればいいですか?」
開業SCのトレンドや特徴を解説すると、
「視察に行ったけど、そんなところ見てませんでした」
というコメントが返ってくるので、予め見るべきポイントを知っておきたいと感じるのだろう。
ちなみに私の見るポイントは、「改変しにくいもの」「改変には巨額な投資がかかるため簡単には変えれないもの」を中心に見る。
詳しくは、下記のコラム「視察に行く時の3つのポイント(2018年11月3日)」を参照して欲しい。
↓
https://scandpartners.jp/blog/post-1245
ただ、ここに解説されているものをすんなり理解することは結構難しいと先日気付かされた。
それは、
「動線を見よ、と言われても、何は良くて何が良く無いのか、分かりませんよー」
と言うコメントだった。
確かに「良い動線、良く無い動線」の評価軸を自分の中になければ評価は難しい。
この解決には、一緒に現地を周り説明することが良さそうだが、新入社員の方や新たに担当になった方が視察でまず取り組むことは、「質より量」だと思う。
まずはたくさん見ることだ。
平泳ぎの話を100回聞くのとプールに入ることは全く違う。
プールで顔を水につけて初めて水泳はスタートする。
何回もプールに行くうち、泳げるようになる。
要するに実際にフィールドに出ること。
そして量をこなすこと。
質は量の後に着いてくる。
とは言え、やみくもにたくさん見るのもつらいと思うので、初心者の方にアドバイスするとしたら「その日、見る場所を何か1つ決める」ことをお勧めする。
例えば、今日は「床と天井を見よう」と決めれば共有通路や店舗の床と天井がどうなっているのか比較しながら見ることが出来る。
テナントの業種業態によって床も天井も千差万別。
レディス、メンズ、キッズ、雑貨、ブランドなどなどですべて異なる。
それを比較しながら見る。
その他、「お客様の靴を見る」という手もある。
お客様の靴は、来店されているお客様の意識が表れる。
その商業施設がお客様にとってどんな存在なのか、が分かる。
その他、お客様の同伴人数を見るのもいい。
1人なのか、2人なのか、家族なのか。
Natee Meepian / istock
これもその商業施設の顧客価値が表れる。
こんなことを気にしながら数を見ていくと、そのうち自分の中に自分なりの評価軸が出来る。
焦らず、一歩一歩、多くの商業施設を見ることで評価軸を作っていく。
視察の仕方は、そこに尽きると思っている。