SCアンドパートナーズ

Vol.560 「新聞を紙で取る理由」

昨日、新聞を開いたら折込チラシがゼロでした。

そう、未だに新聞を紙で取っています。

それも日本経済新聞。

「今時、デジタルじゃないの?」

と言う声が聞こえてきそうですが、これには、一応理由があります。

まず一つ目の理由

長く染みついた習慣。

サラリーマン時代、縦4つに折って満員電車の中で器用に読んでいました。

今や、紙で新聞を読んでいる方は電車はそうそう見かけなくなったけど。

2つ目の理由。

新聞をテーブルに広げると、ザっと全体が見渡せます。

そして、気になった記事から順番に読んでいく。

Yahooニュースなどでタイトルだけ並んでいるとどうしても気になったところだけしか見なくなる。

紙を大きく広げることで興味の有る無しに関わらず、否応がしに全体を見ることになります。

興味の無いことも読むキッカケを作ってくれる。

3つ目の理由

ストーリー性。

これは長くついた習慣かも。

社会、経済、株価、地域、特集などを見ていくと今起こっていることが1つのストーリーとして理解が出来る。

ただ、読む順番は、1面からでは無く、最終面から。

これも習慣。

なぜか、いきなり一面から読むと重く感じるので、毎朝、最終頁からめくっていくへそ曲がり。

そして最後、4つ目。

この理由が大きい。

それは「折込チラシ」の存在。

商業施設の仕事をするようになって折込チラシもくまなく見るようになった。

これが面白い。

既存の店舗やサービス、新規の店舗やサービス、いろいろごちゃまぜに入ってくる。

最近では、ネットで活動しているサービスもチラシを入れる。

「デジタルな世界の人もこんなアナログな世界にメッセージを出すのか」なんて感心しながら見ている。

チラシに出ている情報はまさしく、元気のいい会社や店舗と、経済活動の需給バランスがそのまま表れているから面白い。

侮れないのは、新聞広告。

先日、楽天モバイルが見開きの全面広告でiphone12の取り扱いを発表しているのを見て、「おー、いよいよか」なんて感心した。

今、ネットの世界では、検索履歴などからその人の興味のありそうな広告ばかりが出てくるようになる。

ECサイトで買い物しようものなら、その関連商品ばかりがおススメされる。

便利ではあるけど、今、どんな人がどんな広告を出しているのか、客観性を持って見たい。

出来るだけ、フィルタリングを通さない世間の情報が欲しい。

今はこの一般的な情報を取ることが難しい時代になりました。

と、こんな理由で、未だ紙の新聞を購読しています。

でも、この新聞の宅配システム、配達する方がいなくなるので将来は無くなるサービスと言われています。

昔は新聞配達が若年層のバイトの代名詞だったし、住み込みで新聞配達のバイトして大学に行った若者がいた時代もあった。

苦学生(死語か)

日本の経済成長を支えた重要な仕組みだったようにも思います。

ただ、これも今は昔。

新聞はいつかネットに取って代わられるでしょう。

即時性はネットには叶わない。

でも、1つだけ変わらないことがあります。

それはニュースや記事の信ぴょう性。

紙の新聞に掲載されているものもネット媒体に再掲されているものも全て「人」が作ったもの。

ある記事はしっかり足で取材し、裏を取り、信頼できる記事。

ある記事は、取材せずに勝手に憶測で書いた記事。

ある記事はライターの鋭い着眼点で切り込んだ記事。

ある記事はライターの勝手な思い込みで書いた記事。

「今時、ニュースはネットで読むものよ!」と喝破している方も多い。

でも、どこで読もうと、その記事には必ずニュースソースがある。

発信者がいる。

ネットだろうと紙だろうとそこに掲載されているものは、元をたどれば1つだった、なんてこともある。

今は、SNSも含め、多くの情報源がある。

どこで情報を取ろうとも正しい情報を正しく理解することがこれからますます重要になる。

「それ本当?」と疑うことも大事。

これからますます読み手の3識(知識、見識、意識)が求められる時代になるのでしょう。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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