コロナ禍は多くの事象に影響を与えているが、その中でも最も影響が大きいと思うことがある。
それが、「生まれてくる子供の数」だ。
昨年、日本でも妊娠届が急減していることを指摘されてきたが世界でも同様のことが起きているようだ。
出所:日本経済新聞(2021年4月10日朝刊)
出生数の減少は、一国の生産力や社会保障などに大きく影響を及ぼす。
そして、それは非可逆的。
タイムマシンで過去に遡って出生数を変えることなど出来ないからだ。
日本では2019年、出生数が90万人を割り込み、そのスピードに驚いたのも束の間、2020年にコロナがやってきて減少を加速、2020年は、ひょっとしたら80万人を割るのは?との推測もある。
今年1月の出生数は、前年同期比で14%減の63,742人。
この状態だと、これまで人口問題研究所が公開している下記の20年後の予測ピラミッドも修正されることになろう。
コロナ禍によって婚姻率も低下していると聞く。
そして、婚姻率も出生率もコロナ禍による生活不安によって簡単には戻らないと予想されている。
とすると、国民の消費市場をターゲットにしているビジネスは、高齢化と共にますます厳しくなることは容易に想像がつく。
どんなビジネスも最終消費者が減少すれば必ず影響を受ける。
年金など社会保障への影響も大きいだろう。
でも、これが現実。
この人口減少という事象は、少しずつ進行することで、我々を「茹で蛙」にしてしまいがち。
でも、このスピードは加速したようだ。
20年後の20歳人口は、80万人を割っている。
これを前提にビジネスを描いていかなければならない。
20年後も現役で働いている人は尚更。
社内の過去の成功体験は一旦横に置いておこう。